どんな統計データも、解釈の仕方でどうとでもとれる

現代医療は、統計データに基づいて治療の有効性を判断しています。

このような医療姿勢を「科学的根拠に基づく医療(EBM)」と呼ばれ、治療効果を客観的・定量的に判断することができ、特定の個人や団体の影響を受けない仕組みになっています。

その意味では信憑性が高そうなのですが、実際はそんなことありません。

データを判断するのは「人間」だからです。

政治的な人間が統計データに「意図的な解釈」を加えるので、おかしなことが起こります。

つまり、データを改ざんする必要はなく、解釈を変更すれば、統計データから導き出される「結論」は、どうとでもなるのです。

ここに統計の脆弱性があります。分かりやすいように例を挙げて説明しましょう。


沖縄県民は、急激な食生活の変化により「メタボ」になっている人が30%増加している。


という統計データがあるとします。ここでいう「メタボ」が曲者です。

メタボリックシンドロームの定義を調べてみますと、日本肥満学会の基準(2005年)では、腹囲男性85cm、女性90cm以上が必須。かつ、

  • 血圧130/85mmHg以上。
  • 中性脂肪150mg/dL以上またはHDLc40mg/dL未満。
  • 血糖110mg/dL以上。

の3項目のうち、2項目以上が該当する人がメタボだと診断されます。

出典:メタボリックシンドローム – Wikipedia

この時、沖縄の健康食品を売りまくりたいと考えている権力者(笑)がいるとしましょう。

まず、「沖縄県民に、メタボはほとんどいない」という事実を作るために、メタボの指標を都合のいいように変更します。例えば・・・。

メタボリックシンドロームは、腹囲男性150cm、女性130cm以上が必須。かつ、

  • 血圧180/100mmHg以上。
  • 中性脂肪1000mg/dL以上またはHDLc100mg/dL未満。
  • 血糖180mg/dL以上。

としますと、「沖縄の人は糖尿病の人も少なく、血圧も中性脂肪も低い健康長寿県民です」という事実が作られます。そこで深夜の通販番組で、

沖縄県民は、メタボになっている人が全体の1%もいません。その秘密は、○○という、県民なら日常的によく食べているある伝統食品のおかげなのです!!

でも、毎日食べるのは大変ですよね?

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となって、バカ売れするわけですね(笑)

極端な例を出しましたが(笑)このように、「指標をいじるだけでデータの解釈がまるっきり変わる」のです。ここに統計の「落とし穴」があります。

統計学や科学的アプローチは、極めて真実に近い事柄を私たちに教えてくれる重要なツールなのですが、そのデータを解釈する「ものさし(=指標)」をどう決めるかによって真実を誤って解釈して(させて)しまいます・・・。

データ自体が悪いのではなく、データの解釈が悪いのです。

そしてデータを解釈する為のルールのようなものが「指標」です。

ですから、その指標がめちゃくちゃだったら、結論(解釈)もメチャクチャになるのは当たり前です。

つまり、そのようなデータが示してくる真実は、有益どころか有害です。

がん患者は臨床試験データをチェックすることが多いのですが、データよりも注目すべきは、

どのような指標でもって、そのデータは解釈されているか?

なのです。これは様々なデータを示された時に、それらに惑わされない為にも必要な考え方なので、覚えていて損はないと思います。

統計に問題がある場合は、データ自体に問題があるか、指標がおかしい場合とがあります。

データに不備がある場合は、調べればすぐにわかりますが、指標がおかしい場合、データ自体には何の問題もないので「真実」に気づきにくいです。

科学的データには信憑性を感じやすいですし、反論しにくいですから、ひじょーにタチが悪いです。


 ~ 追記:2013年4月26日 ~ 

この記事を書いた時には東日本大震災は起きていなかったのですが、あの大災害によって政府は、色々と都合悪くなったこともあって、年間の被爆量基準を大幅に変更しました。

つまり、「指標」をちょこっといじっただけで、福島や東北地方の方達は「安全になった」わけです。恐ろしいですね。

「指標」をいじれるのは権力者だけです。もちろん自分達の都合の良いようにいじります。

ですので、「指標」や「基準」が変更になったり新たに作られたとき、その裏にどういう意図があるのか?という視点を持つのを習慣付けておくことは非常に大事なことです。

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