抗がん剤の有効性を測る指標は、はっきり言ってめちゃくちゃ!

抗がん剤の奏効率の欺瞞

前回までは、統計データを見るときの指標の大切さをお伝えしました。

では、抗がん剤の有効性を測るための指標はどのようなものでしょうか?

これを知った時、正直私は愕然としました。A先生から聞いた話や渡された資料に書かれていることとは、全然違います。

ウソをついているわけではないのですが、官僚答弁のように「重要な部分に気づけない」ように書かれています。

患者は、医者から「この抗がん剤は、50%の人に効きます。」と聞かされたら、普通は「ああ、半分の人に効果があるんだな。自分がその中に入るかどうかわからないけど、無治療のままよりは、絶対にいいよな。」って考えると思います。

しかし、医者の言う「50%の人に効きます」の本当の意味は、

抗がん剤の効果の指標の欺瞞

ってことなんです。「4週間以上続く」ってのがポイントです。

これは逆に言えば、4週間後にまた腫瘍が増大しようが、患者が死のうが、「効果あった」となります(汗)。

すんげえデタラメな指標だと思いませんか?

この指標を「奏効率」と言います。簡単に説明しますと「4週間以上、腫瘍縮小効果が継続した患者の割合」のことを言います。

他にも「生存期間中央値」「5年生存率」「延命効果」など、ガン治療においては様々な指標がありますが、医師も製薬会社も厚生労働省も1番重要視している指標が、奏効率です。

この奏効率を用いて抗がん剤の治療効果を測るのが、日本では主流になっています。

欧米は違います。欧米が一番重視しているのは、「副作用との兼ね合いを考えた延命効果」です。患者の寿命が治療によってどれくらい伸びたかを考えます。患者の立場を十分に考えた指標になっていると思います。

欧米では、日本に比べて抗がん剤治療を受ける患者の割合が少ないらしいです。

それは単に医療費の問題だけではなく、副作用との兼ね合いを考えた延命効果を重視するようなインフォームド・コンセントを行うので、患者は「抗がん剤治療をしない」という選択肢もとれるんだと思います。

もちろん欧米と日本の宗教観、死生観の違いもあると思いますが、私は「インフォームド・コンセントの違い」が一番大きいと思います。

つまり、「治療において、何を重視しているか?」の違いです。

まず、誤解を恐れずに言いますが、根治手術が不可能な場合、ガンは(一部のガンを除けば)治りません。残念ながらデータが物語っています。

その前提のもとに「どのように治療を考えるか?」が大事だと思います。

欧米では「延命効果」を重視するし、日本では「治すこと」を重視します。

「治すことよりも、延命効果を重視する」と言うと、治療に対して消極的な態度のように思われるかもしれません。

また、「わずかな可能性に賭けて、辛く厳しい治療をゴリゴリ行うほうが正しい」と考える人もいるでしょう。

これは患者さんの価値観によって決めるべきものなので「答え」はありません。しかし・・・、

ガン患者の本当に知りたいこと

奏効率の意味を理解していないがん患者が、「半分の人に効きます」なんて聞かされたら、誰でも「頑張ってやってみよう!」という気持ちになるじゃないですか。

「半分の人にガンの縮小状態が4週間程続くことはデータで示されていますが、また大きくなる可能性もあります。しかし、数ヶ月の延命効果があることもデータで示されています」

と正直に言ったら、結論が変わる人もきっといると思うんですよね・・・。

また、がん患者は腫瘍が小さくなれば「治ってきている」と思いがちですが、素効率と延命効果は、全く関係がありません。

つまり、抗がん剤によって腫瘍が小さくなったとしても、強烈な副作用で亡くなるケースがあったり、抗がん剤に耐性を持ったがん細胞が生まれてくるので、あっという間に元の大きさに戻るのです。

よく効いていた抗がん剤が、ある時期から腫瘍マーカーの急上昇を伴って急速に悪化するケースが多いのはその為です。

私がこのような「抗がん剤治療の現実」を知るきっかけを与えてくれたのは、梅澤充さんという医師が書いた「間違いだらけの抗がん剤医療 ~ 極少量の抗がん剤と免疫力で長生きできる!」という本です。

興味深い内容なので是非皆さんに読んでほしいのですが、この本で紹介されている「奏効率と生存期間の関係」を示した表を引用します。

この表は、切除不能の進行胃がんに対し、様々な種類の抗がん剤治療を行った時の奏効率と生存期間中央値(MST)の関係を示したものです。

素効率と延命効果は、全く関係がない

奏効率と生存期間中央値(MST)が相関していないのは一目瞭然でしょう。

こういう事実を、何百例ものがん患者さんを看てきた医師が知らないはずはないですから、正直に説明すべきだと思うんですよね。

じゃないと、何の為のインフォームド・コンセントなのか分かりません。「結果として、がん患者の治療方針を恣意的に誘導している」と言われても仕方ないと思います。(※因みに生存期間中央値(MST)とは、「治療中の患者さんの半数が亡くなった時の経過日数」です。私は、抗がん剤の効果を判定する為には、生存期間中央値(MST)は参考になる指標だと考えています。)

私は、様々な考え方の治療法について、その「真実」を十分に知った上で、自身の価値観にあった治療法を選択するべきであると考えています。真実を知る為にあるはずのインフォームド・コンセントが機能していないのは本当に残念です。

そういう現実がありますし、抗がん剤治療のガンに対するアプローチについても私は疑問があります。このことについては、またいつか別の記事で書く予定です。

ということで、私は抗がん剤治療をしないことに決めました(【追記:2010年6月26日】結局、恐怖に怯えて1回やってしまいました。後悔しています)。

はじめは4種類の薬のうちからどれが最も良いのかを調べていましたが、調べれば調べるほど抗がん剤治療自体に疑問を感じましたので、このような結論に至りました。

私の選択が最善であるという思い上がった考えはありません。

また、抗がん剤治療が最悪だとも思っていません。

ケースバイケースで必要だと思っていますし、「私のケースでは必要ないな」と判断しただけです。この決断がどのような事態を招くか分かりませんが、意思を貫きたいと思います。

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