先日は、父の定期検査に付き添ってきました。
おそらく今回は、リュープリンという新しい薬が追加になる予定だったので、年が明けてしばらくはリュープリンのこと、そして、現在飲んでいるビカルタミド(商品名:カソデックス)とリュープロレリン酢酸塩(商品名:リュープリン)の併用療法であるMRB療法についてひたすら調べていました。
調べてみてかなり効果的であることが分かりましたし、重篤な副作用もあるにはありますが、起こる確率は非常に低いということで、「これはやったほうがいいな」という結論が出ていたのですが、医薬品添付文書を見ると、「尿路閉塞による腎障害のある患者は、悪化するおそれがある」と書かれているんですね。
父は去年の9月ごろ、それで緊急入院しましたから、「たぶん、無理かもしれないな・・・。(´・ω・`)」と思ってました。
今日は、そのあたりのことを主治医に質問してみようと考えていたのですが、蓋を開けてみると、「血液検査の結果、腫瘍マーカー(PSA)が順調に下がっているので、予定を変更してビカルタミドをしばらく辞めて様子をみましょう」とのことでした。
前立腺の腫瘍マーカーはPSAというものですが、前立腺がんが発覚した頃の値が88.20とかなり高かったんですね。それがビカルタミドを飲み始めて1ヶ月で0.370になり、それから2ヵ月後の今日の検査では、なんと0.081になってました。
主治医:「新里さんのガンは、ホルモン療法がよく効くタイプのガンです。ガンが消えたわけではありませんが、休眠状況に入っているとみていいでしょう。」
そのように言われた時は、二人とも飛び上がるほど嬉しかったです。^^
ただ、気になる数値があったのです。
これは12月頃、新垣形成外科で栄養指導を受けたときに発覚したのですが、骨への転移が進行すると上昇してくるALPという数値が510あったんですね・・・。
12月の時の血液検査では571だったので、それと比べると下がってはいるのですが、
「これは心配な数値だな(´・ω・`)」と不安でした。
このことが発覚した時点ですぐに病院に電話を入れました。
次の定期検査まで間隔があったものですから、主治医の意見を伺おうと思いました。主治医の話は、
主治医:「気になる数値ではありますが、PSAが大幅に下がっている状況なので、(※この時のPSAは0.370)骨への転移が進行しているとは考えにくい。ビカルタミドの副作用で肝臓の数値が上下することもありますし、次回の血液検査で様子を見ましょう」
とのことでした。
確かにビカルタミドの医薬品添付文書を調べてみると、重大な副作用欄に、「AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP、LDHの上昇等を伴う肝機能障害」と、書かれています。(参考:カソデックス錠80mg/*カソデックスOD錠80mg)
しかも、ALPが急上昇したのはカソデックスの服用を始めた直後なんですね。服用前のALPは272と正常値です。
飲み始めて1ヶ月で倍以上の572になるのは、緩やかに進行していく前立腺がんの影響とは考えにくいです。PSAは大幅に激変してるので、むしろ進行は止まっていると考えるべきでしょう。
となると、ALPの急激な変化は、薬の影響の可能性が高いでしょう。
ですから主治医は、「様子見しましょう」と言ったのだと思います。
で、様子見した結果、今回からビカルタミドの服用をしばらく止めて、ALPの変化を見てみることにしました。
ただ、主治医は「次回の検査では、おそらくPSAが上昇してくるでしょう」とおっしゃいました。ただ、薬を止めたのでそれは仕方のないことだと思います。
ガンは休眠状態に入っているとのことなので、「ガンと共存する」という目的は、今のところ十分達成できていると思います。
総合的にみれば、あまり良くない結果だった・・・。
ただ、治療を開始してまだ4ヶ月足らずですからね・・・。
PSAが低い状態が少なくとも半年以上続いていれば、小康状態に入っていると言えるかもしれませんが、「ガンは休眠状態に入った」というのは、この段階ではさすがに言い過ぎなんじゃなかろうかと、個人的には思います。
ガンの勢いが弱まっているのは事実ですが、その他の数値をみると、総タンパク(TP)は減っていますし【6.6 → 6.4】赤血球(WBC)【414 → 386】やヘモグロビン(Hb)【12.6 → 11.9】の数値も前回と比べて減っていますので、貧血傾向は強まっています。つまり、ガンが好む体内環境が整ってきているような気がします。
今回何故かアルブミン(Alb)が検査されていませんが、これは「食事療法+栄養療法」を開始してからは順調に回復してました。それでも【4】とまだまだ低いですがね・・・。
ただ、アルブミン(Alb)は総タンパクの約67%を占めるらしいので、総タンパク(TP)が減った今回は、きっとアルブミン数値も下がっていたでしょう。
外科の先生が提唱している指標にPNIというものがあります。
これは、がん患者さんが厳しい治療に耐えられるかどうかを栄養面から評価する為の指標です。これらは下記のような式から計算できます。
この式で注目して欲しいところは、変数が2個しかないところです。Alb(アルブミン)とTLC(抹消血総リンパ球数)ですね。
父は、白血球の数(WBC)【4000 → 4400】とリンパ球の割合(Lymph)【33.3 → 40.8】は順調に増えていってます。つまり、免疫力は上がっているみたいです。
しかし、上記の式に従ってPNIを計算してみると、仮にAlb(アルブミン)値が前回と一緒で4。0だと仮定した場合、
惜しいですね・・・。もう少しで栄養障害ナシだったんですが・・・。
この数値はAlbの数値が以前と同じという仮定で計算しています。
今回は総タンパク(TP)が減少しているので、おそらくAlbも減少しているのだろうと思います。
Alb(アルブミン)の数値は、予後を左右する重要な数字!
ここで分かることは、「Alb(アルブミン)の数値が、(免疫力を含む)体の強さに大きく関係している」ことです。
仮に父のAlb(アルブミン)値が4.1だとすると、上記の式によりPNIは52くらいになり、栄養状態は良好ということになります。
Alb(アルブミン)の数値がたった0.1変化しただけで、PNIは大きく変動します。
血液中のタンパク質の量(血清蛋白質)が、いかに大事かが分かります。
肝臓が悪いと、総タンパク(TP)値、Alb(アルブミン)値がともに低くなってくる。
免疫力だけでみれば、父は明らかに良くなっていますが、タンパク質が足りない、もしくはうまく処理されていない為に、全体的にみると「予後不良」ということになります。
うちの父は、あまり肉を食べてくれないんですが、「ちゃんと、タンパク質とらなきゃダメなんだよ(`・ω・´)キリッ」と、私が説得したこともあって、(少ないながらも)頑張って肉や大豆系の食べ物を食べてくれていました。
ただ、それでも全然足りないと思ったので、プロテインやBCAA系のサプリも飲んでもらってましたし、タンパク質の再合成を助けるビタミンB群や亜鉛、DNAやRNA、ビタミンCなども合わせて摂取していたのですが、それでもなかなかタンパク質系の数値が上がらない。どころか、むしろ下がっている・・・。
しかし、同じものを食べている私は、総タンパク(TP)値は7.7ですし、Alb(アルブミン)値は5です。
年齢以外に違うものがあるとすれば、薬しかありません。
そう思って色々とグーグル様に聞いてみたのですが、ビンゴでした。
肝機能が低下すると、肝臓でのタンパク質合成能力も低下する為、TP、Albともに低下してくるそうです。(※Albは、肝臓からしか作れない)
つまり、ビカルタミドの副作用によって、肝機能の低下が起こり、そのせいでタンパク質の合成能力も低下して、(Albを含む)血中のタンパク質濃度が低下した可能性があります。
ですから、ビカルタミドを辞めれば肝機能も復活してきて、総タンパク(TP)値、Alb(アルブミン)値がともに回復してくるかもしれません。
あくまでも予想ですが、お酒を全く飲まない父ですし、肝機能が悪くなったことなんてこれまで1度もありませんでしたから、十中八九、薬(ビカルタミド)のせいだと思います。
次の定期検査は3ヵ月後ですが、薬を止めているので、おそらくPSAは上昇してくるでしょうが、それでも肝機能状態を示す数値が低下し、総タンパク(TP)値やAlb(アルブミン)値が上昇してくれればいいなと思っています。
PSA値は十分に下がりましたし、「体の栄養状態を良くすること」が、ガン治療においては一番大事だと思っています。食事療法と栄養療法についても、肝臓をサポートするようなメニューを組もうと考えています。
「薬を止めてもPSA値が変化なし、もしくはちょい上昇くらいですんでくれたら、万々歳なんだけどなぁ~」
などと、虫のいいことを考えている今日この頃です。
もちろんそれを狙ってるんですけどね。(^ー^)
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