4度も再発した乳がんを克服した人の本が、衝撃的だった・・・。

乳がんと牛乳 - がん細胞は何故消えたのか

こんにちは、新里です。
今回は久しぶりに本の書評(レビュー)をしたいと思います。

この本は1年くらい前に買ったものですが、やっと数日前に手をつけることが出来ました。

気になった本は、その場で買いなさい。感銘をうけた本は、書店で見かけるたびに買いなさい。

予備校時代にお世話になった現代文の先生の言葉です。

先生はとても聡明で、面白い考え方をしている不思議な人でした。
いつもふざけているんですが、時折する指摘・質問がハッとするような・・・、事の本質を見る力がある人でした。

私はこの人のようになりたくて今でも教えを守っているのですが、何の意味があるのか未だによく分かりません。

むしろ本を読まなくなりました。
気になったら買わないといけないですからね・・・。「気になったら負け」なんです。(笑)

「なんのためにこんなことをやってるんだろう?(´・ω・`)」と思いながらも続けてたんですが、最近先生が言ってた意味が、なんとなくですが分かってきました。

「読む価値のある本」は、ほとんど存在しない・・・。

このようなアホなルールを自分に課し、「痛みを伴いながら」本を読んでいると、
「本を読んでいる時が、一番ムダな時間を過ごしている」と分かりました。

ほとんど同じことが書いてあります。ジャンルが違っても似たようなことを言っています。
「同じ著者が書いてるのかな?」と思うくらい、考え方も一緒です。

こっちは異質な「知識」や「考え方」を取り入れたくて本を買ってるのに、これじゃあ読む必要性がほとんどないですよね・・・。本を読んでいる時が1番「学び」が少ないんです。

自分の関心が向いていないものに意図せず触れたとき、そういう時が1番「学び」が得られます。そういう意味では・・・。

  • なにか調べものをしているとき
  • 勉強しているとき
  • 仕事をしているとき

そのようなときが、実は1番ムダな時間を過ごしているし、「学び」も少ないんじゃないか・・・。最近はそのように思うようになりました。

もしかしたら先生は全く違うことを意図してたのかもしれませんが、(笑)
本を読もうとするのではなく、勉強しようと机に向かうのではなく、普段の生活の場を全て「学びの場」にしたほうが、はるかに得るものが多いってことは実感しています。

だからこそ、自分のアンテナに引っかかったような本とは、大切な人と接するのと同じように、真剣に向きあう必要があるのだと思います。

とか言いつつ、なぜか未読のままの本が何冊もあるので矛盾してるのですが、(笑)
そんなことは気にせずに元気よく本を読みましたので、それで得た「学び」を皆さんと共有できたらいいなぁと思います。

この本を読もうと思った理由

「乳がんと牛乳」と「病気にならない生き方」

「牛乳・乳製品は、乳がんのリスク要因なのか?」もっと広げて「牛乳・乳製品は、体に悪いのか?」という話なんですが、私も以前に「病気にならない生き方」を読みましたし、酪農関連団体からの反論の内容も把握しています。

ですから、「どんなことが書かれているのか」が大体想像ついたんですね。
書店でこの本を手にとったとき、「特に目新しいことはなさそうなので、わざわざ買う必要はないな」と思って本を置こうとしたのですが、著者の経歴に興味がいきました。

「地球化学の研究者? はて・・・。(´・ω・`)」

珍しいケースだと思いました。
専門的な本を書く場合、普通はその分野の専門家が書くのがほとんどです。

「牛乳性悪説」だろうが「牛乳性善説」だろうが、だいたい医学博士か酪農関係者が出版するものです。

しかし、明らかに専門外で利害関係のなさそうな著者が、牛乳や乳製品に対して踏み込んだ発言をしている・・・。目次を一目見ただけで、著者のガチな様子がひしひしと伝わってきました。

「こりゃー怒っている人がたくさんいるだろうなぁ~」とか思いながら、人のケンカを見るのが好きな私は、ニヤニヤしながら著者と業界の論争を野次馬的な視点で眺めてみたくなったんですね。

で、興味を持ってしまったので、「ルール適用」で買うことにしたわけです。(笑)

もちろん興味は他にもあります。
それは著者がトーシロー(専門外)」だってことです。

彼女は科学者ではありますが、栄養学や医学については専門外です。
正統派医学とは違う視点でガンを捉えているはずなので、面白そうな知見を提供してくれそうな気がしました。

もしかしたら荒唐無稽な内容かもしれない・・・。
でも、一方の意見に凝り固まってしまうのも危険なので、「とりあえず、読んでみよう」という気になったのです。

これは前回の記事でお伝えしたことでもあるのですが、専門家は1つのことに精通している反面、「1つの視点でしか物事を捉えられない、または捉えがちになる」んですね。それが専門家の長所であり、弱点でもあります。

しかし、素人は素人であるがゆえに先入観がないですから、物事を俯瞰してみたり、様々な視点で捉えることが出来るのです。それが素人の長所であり、弱点でもあります。

1+1は、何百回やっても結論は変わりません。(変わるっていう意見もありますが)

これはもうそういう決まりなので、これ以上掘り下げる必要がないのですが、
「結論が出ていない」「答えが未だに出ていない」ような問題の場合、既存の枠組みから物事を捉えてばかりいると、いつまでも前進できないんですね。

複数の視点を持つことの大切さ

みたいなすっげー考え方をしているような人は、既存の枠組みを取っ払って「複数の視点」で物事を捉えています。

そういう人が「前進」していくと思うし、「新しい発見」をしていくと思うし、「結果」を出していくんじゃないかと思うのです。

著者のジェイン・プラントさんは「酪農の専門家」ではなく「ガンの専門家」でもなく、「地球化学の専門家」です。

つまり、科学的な作法を心得ている「専門外の専門家」が、牛乳や乳製品と乳がんの関係を「ユニークな視点」で捉えて書かれた本なのです。

もうこれだけで読む価値ありです。

しかも、この方は「結果」を出しています。
彼女の乳がんがどのような経過を辿ったのかを簡単に説明しますと・・・。

乳がん発症 → 乳房切除 → 5年後に転移 → 切除 → 2週間後に再々転移 → 放射線療法 → リンパ節に3度目の転移 → 放射線による卵巣摘除 → リンパ節に再度、鶏卵半分ほどの大きさのがん発症 → 牛乳・乳製品・乳牛肉の摂取をやめる → リンパ節のがんが小さくなり消滅 → 15年間一度も再発なし・・・。(amazonの「商品の説明欄」より引用)

かなり刺激的だと思うのですが、いかがでしょうか。
「牛乳・乳製品・乳牛肉の摂取をやめる」という発想に辿り着くのは、(正しいかどうかは別にして)ふつーの「がんの専門家」には視野が狭すぎて無理でしょう。検討さえしないと思います。

もちろん「的外れな発想」の可能性も大いにありえます。
しかし、従来の枠組みを超えた発想(仮説)ということで、これはもう検討する価値があるのです。(※標準治療が、患者の望むような成果を上げきれていない現状では特に)

では、ジェインさんが辿り着いた結論が「的外れ」なのかどうか・・・。
私が評価するのはおこがましいのですが、(笑)書評も兼ねながら頑張って考えてみたいと思います。

まずは本書の論旨に沿って内容を紹介したうえで、それに対する私の考察を書いていきたいと思います。

なにかの参考になれば幸いです。

目次

  1. この本を読もうと思った理由
  2. 本書の構成
  3. 「真理に到達できる科学者」と「凡庸な科学者」との違い
  4. 第一章:帽子と大蛇と科学者
  5. 第二章:悪さをする細胞
    1. がん患者は、「がんで死ぬ」のではない
    2. 末期のがん患者に、例外なく見られるもの
    3. がん患者を治療するために、例外なく当てはまる重要なこと
    4. 遺伝的要因 VS 食生活
  6. 第三章:3番目のイチゴを探す
    1. 「著者の本音」が見え隠れしている・・・。
    2. 「ディオバン事件」があぶりだした、大学病院の無知・無教養ぶりがひどい
  7. 第四章:金持ち女の病気
    1. ミルクは、成長を促進する起爆剤(成長促進剤)
    2. 牛乳に含まれる生理活性物質が、きちんと体に吸収されるこれだけの証拠
    3. IGF-1血中濃度が上がると、何故悪いのか?
  8. 「乳がんの原因は、牛乳&乳製品説」への反論と、その検証
    1. 胃で分解されたり、超高温殺菌処理されて不活化するので大丈夫では?
    2. 肝臓で作られるものだから、食品から摂っても大丈夫じゃないの?
    3. IGF-1の基準値から、牛乳に含まれるIGF-1の有害性を考えてみる・・・。
      1. 【IGF-1よりヤバイ!】実際に牛乳を飲んだときの、血中女性ホルモン濃度の上がりかたが半端ない・・・。
    4. 組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)を使用しなければ、安全なのか?
    5. 「牛乳を飲まなくても乳がんになるし、飲んでも乳がんにならない人はいる」これを「論点ずらし」といいます
    6. 乳がんには様々なタイプがある。牛乳や乳製品だけが悪いわけじゃないのでは?
    7. 反論と考察についての簡単なまとめ
  9. 業界・科学者・政府に対する批判
    1. 科学的根拠とかエビデンスとか言われたら、「とりあえず身構えるクセ」をつけたほうがいい
  10. 第5章・6章:プラント・プログラム - 食事・生活スタイル編
    1. 一般人が実践するのは、かなり大変・・・。
    2. 牛乳・乳製品以外に、彼女が鬼気迫る勢いで「避けていたもの」とは
    3. プラント・プログラムの欠点
    4. がん患者の抱えるストレスについて、意外と見落としがちな点
  11. がんに打ち克つ人は、「家族力」が違う
    1. 言葉をかけると、たいがい失敗する。
    2. 医療がチームで行われるように、患者側もチームを組んで病気と闘うべき
    3. すっげー家族の例
  12. 第7章:東洋の目で西洋を眺める
    1. 「歪み」を、1つ1つ取り除いていく

本書の構成

序文にもあるとおり、この本は著者の科学者としての知識・経験を総動員して、乳がんの犯人を突き詰めていく物語です。

皮膚がんなら紫外線・・・。肺がんならタバコ・・・。
これらのガンは「支配的な要因」が明確になっているのに、乳がんは未だに分からない・・・。

「乳がんにだって、支配的な要因がきっとあるはず!」という信念のもと、ガンの恐怖に怯えながらも真犯人を突き止めていく物語です。

その意味では、この本は乳がんや前立腺がんを克服する為の具体的なアドバイスが書かれている実用書であるとともに、著者ジェイン・プラントさん自身の物語でもあります。

そして彼女はついに「牛乳や乳製品が真犯人である」ことを突き止めます。
そう思う根拠を、膨大な科学的資料を用いて明快に説明されています。

「牛乳・乳製品が真犯人である」と結論付けたうえで、「では、私達はどのように暮らしていけばいいのか?」ということを、本書の後半で解説されています。

「食事編」「生活スタイル編」など具体的なアドバイスもさることながら、それらを発見するに至ったプロセスがとても参考になりました。

これらについては、また後で考察したいと思います。

「真理に到達できる科学者」と「凡庸な科学者」との違い

彼女は言います・・・。

優秀な科学者は、ありふれた出来事を「ほんの少し違った視点」から眺めている・・・。

優秀な科学者ほど新しい論文だけではなく、手垢がついてるような、今では誰も見向きもしないような過去の論文を読みまくる・・・。

それは「新しい概念」を生み出すのに必要な作業だと主張します。

これって難しそうに聞こえるかもしれませんが、そんなに大した話ではありません。

毎日のありふれた出来事を「面白おかしく観る」なんてことは、芸人さんなら誰でもやっていることです。もっと簡単に言えば、ネタを作れる人ですね。

「人志松本のすべらない話」なんか典型的ですが、彼らが話しているネタは、私達が普段経験しているような「なにげない日常」ばっかりでしょう。

別に彼らの周りに「ばかり」特別に面白い出来事が起こるわけではないんです。

彼らは日常を私たちより「面白おかしく観ている」ので、「適切な味つけ」をしてウケる話に仕上げることができるのです。

「適切な味つけ」というのは、「面白おかしく観る」ことなしには出来ません。

著者のジェインさんは、たくさんの論文や自分の身に起こったことを「面白おかしく観れた」からこそ、「適切な味つけ」を発見した。つまり、「乳がんや前立腺がんの犯人は、牛乳・乳製品である説」を発見できたのだと思います。

  • なぜ牛乳や乳製品が犯人だと考えるのか?
  • それではどうしたらよいのか?

著者は自身の闘病物語を交えながら、その主張を以下7章に渡って述べられています・・・。

第一章:帽子と大蛇と科学者

良い本というのは、著者の1番言いたいことが「はじめ」と「最後」でサンドイッチされているものです。

この本も第1章と最終章(7章)で内容がかぶっているところがあります。

同じような内容が言葉を変えて繰り返し述べられているような場合、それが主題と直接関わるようなものではなくても、そこに「著者の本音」が見え隠れしている場合があります。
それがリーディングやインテリジェンスの基本です。

そういう意識をもって1章や7章を読んでみると、著者は「近年、科学が悪い方向に傾いてしまったことで、研究資金を注ぎ込むわりには成果がますます小さくなっている」ことを危惧しているようです。

この本のタイトルは「乳がんと牛乳」です。
タイトルってのは絶対意味がありますし、乳がんと牛乳に関することが書かれていなければウソです。

まぁ、最近出版されている本のなかには「インパクトをだしゃーいいんだ <丶`∀´>」と思っているのか、内容と全く関係のない題名をつけることもあるのですが、この本はそんなクソ本ではありません。真面目な本です。

ただ、「科学が悪い方向に傾いている」のかもしれませんが、そうだとしても「そのことと、牛乳や乳がんが何の関係があるんですか?(´・ω・`)」と、読んでて疑問に思いませんか?

科学の世界の現状と主題との関係がイマイチよく分かりません。

にもかかわらず、本の中でも重要な部分である「第1章と最終章」に、この「一見関係なさそうな話」を持ってくるってことは、ここに著者の本音や1番言いたいことが隠れていると考えるべきだと思います。

確かに「科学が悪い方向に傾いてしまった」云々の話は、ここまでしか読んでなければ「タイトルと何の関係があるの?」って感想しかないのですが、読み進めると「著者の言いたいこと」が分かってきます。

第二章:悪さをする細胞

第二章では、ガンが発生するメカニズムについて書かれています。

この部分については、いろんなところで述べられているので特に目新しい話ではないのですが、一応簡単に解説しておきます。

がん細胞とは、何らかの原因で遺伝子が傷つき、そのせいで抑制がきかなくなった細胞のことである・・・。

紫外線だったり、タバコだったり、ストレスだったり・・・。
様々な原因で細胞のなかにあるDNAが傷ついてしまい、無限に増殖する性質を帯びた細胞が、がん細胞です。

正常細胞は、様々な情報伝達物質を分泌してコミュニケーションをとりあい、お互いにバランスを保っています。

だから必要以上に活動したりはしないし、一方的に増殖したりもしません。

例えば、胃の細胞が血液の流れに乗って肝臓に辿り着き、そこに根付いて増殖しはじめる・・・。なんてことは、絶対起きません。

仮に胃の細胞が血液の流れに乗って肝臓に辿り着いたとしても、(そんなことは起きませんが、)胃の細胞と肝臓の細胞は役割が違いますから、「場違いな」胃の細胞は自然と死んでいく運命にあるのです。

しかし、がん細胞は血液を介してあちこちへ飛び、そこに根付いて巣を作り始めます。これを「転移」と言います。

がん患者は、「がんで死ぬ」のではない

がん細胞の場合、転移しなければ基本的に死ぬことはありません。
(転移しないガンを「良性腫瘍」といいます。 参考:wikipedia
ガン細胞が様々な臓器に転移することによって臓器の機能低下が起こり、そこではじめて「命の危険」がでてくるのです。

ですから、がん細胞が直接の死因ではありません。
誰だってがん細胞は体の中で毎日生まれていますし、それで死ぬのだったら人類は既に絶滅しています。

がん細胞がアホみたいに増えることによって、体の栄養素が根こそぎ奪われます。
それによって臓器を動かす燃料がなくなり、外敵に対する防御も出来なくなり、多臓器不全細菌感染を起こして死ぬのです。

つまり、がん細胞の「数」と「勢い」の問題なのです。
この2つが、生死に関わるものです。

末期のがん患者に、例外なく見られるもの

末期のがん患者には、例外なく極度の栄養失調状態が見られるそうです。
私も大腸がんが発覚する1年くらい前からは、普通に暮らしてるのに「だんだん痩せていった」ので、思い当たる節があります。

友達の話だと、「会うたびにやつれてきてた」らしいです。
当時の体調は特に悪くなかったですが、確かに体重は減ってきてました。たぶん50kgなかったと思います。(※高校のときは60kg前後でした)

がん患者を治療するために、例外なく当てはまる重要なこと

ですから、がんによる衰弱を防ぐには「正しい食事療法」がとても大事なのです。
ガンの治療法は体力消耗を伴いますから、健常者よりも多くの栄養摂取が必要なのです。

ただ、著者も言っていますが、巷に蔓延っている代替療法の中には、極端に偏った食事を推奨するものが多いため、治療に耐えられない患者が増えて医師が困っているようです。これは私も実際に体験しましたから完全に同意です。

【私の実体験】ゲルソン療法、玄米菜食を厳格に実行したら、こうなった
【タンパク質の冤罪シリーズ第1話】ゲルソン療法を忠実に行ってきて感じた数々の体調不良を赤裸々に語っています。

遺伝的要因 VS 食生活

この章では「遺伝的な要因とガンの関係」についても触れられていますが、たとえ遺伝的にガンになりやすい体質だったとしても、家族や親戚にがん患者がたくさんいたとしても、「食生活で十分にカバー出来る」と著者は主張しています。

これは様々な研究結果からも言えることだし、「私がなによりの証拠だ」と、主張します。
(※著者の家族や親戚はいわゆる「ガン家系」ではなく、ガンになったのは親戚・家族を含めて著者が初めてだった)

まぁ、著者が良くなったからといって、他の人が良くなるかどうかは別な話なのですが・・・。

乳がん発症 → 乳房切除 → 5年後に転移 → 切除 → 2週間後に再々転移 → 放射線療法 → リンパ節に3度目の転移 → 放射線による卵巣摘除 → リンパ節に再度、鶏卵半分ほどの大きさのがん発症 → 牛乳・乳製品・乳牛肉の摂取をやめる → リンパ節のがんが小さくなり消滅 → 15年間一度も再発なし・・・。(amazonの「商品の説明欄」より引用)

こういう事例を見せつけられると、「いったいどういうことなのか!?」と好奇心が湧きたてられます。こういう事例を見ても・・・。

単なる例外的ケースであり、検討するに値しない・・・。

などと切り捨てる科学者(医者)は、「好奇心がない」という点で、科学者として終わってると思います。

著者が実践したことについては、5章、6章で根拠付きで述べられています。

第三章:3番目のイチゴを探す

この章では、著者による「乳がんの犯人探し」の様子が詳細に書かれています。

彼女がどういうふうに考え、どういうふうに情報を分析し「牛乳・乳製品が諸悪の根源である」という結論に至ったのかは、まるで推理小説を読んでいるようで非常にエキサイティングでした。

彼女は言います・・・。

乳がんの予防法や治療法をみつけるのは、干草の山から1本の針を探すようなものだ。
しかし、本気で針を探そうと思ったら、「本当に干草の山に針があるのか」を確定しなければならない・・・。

針探しの前に、「まずは山探しから始めないといけない」ということですね。(^^;

気が遠くなるほどの作業ですが、これはまさに「視野を広げること」や「複数の視点を持つこと」の大切さを言っているのです。さもないと、「針のない干草の山のなかを、延々と探し回る羽目になる」のです。

「著者の本音」が見え隠れしている・・・。

著者は直接明言こそしないですが、

現代医療は、針のない干草の山ばっかり見ていないか?

現代科学は、還元主義の罠にはまって「労多くて、益少なし」になっていないか?

ということを言いたいのだと思います。
彼女は、本書を書いた目的は「医学研究者や医療関係者の間に、乳がんをめぐる論争を巻き起こすことだ」と言ってますから、患者はもちろん、関係者各位に特に読んでもらいたいのでしょう・・・。そういう空気が文章から滲み出ています。

この本には、「優秀な科学者というのは、物事を違う視点から眺めている」という記述があちこちに見られます。

1章のはじめからそういう話をしだすし、最終章でもそんな話をします。
本のはじめと最後は重要な部分であり、「著者の本音」が見え隠れしていることは上記でも書きました。

そして3章、4章は、「乳がんの原因は、牛乳・乳製品である」ということを立証する部分です。

科学者としてはある意味1番重要な部分であり、ここの立証が不十分であれば、
誰かさんみたいに科学者としての信用がガタ落ちになってしまいます。

そんな「彼女にとっての勝負の章」で、
「優秀な科学者というのは、物事を違う視点から眺めている」と言ったり、
「私のような地球化学の研究者は、生物学や医学の研究者とは 多少考え方が違う」と言ったり、
「観察とデータの解析はお手のものであり、情報の断片をつなぎ合わせて理論化し、法則性を探し出すのが地球化学者の仕事である」と言っています。

そして、「がんの分類とそのステージだけをみて、私の余命を3ヶ月から6ヶ月と予想するような正統派医学の慣行を打ち破りたい」とまで言っています。

彼女のこれまでの言動を整理すると、彼女がどういう思想や考え方の持ち主かは、なんとなく分かります。

優秀な科学者というのは、物事を違う視点から眺めている・・・。

どうやらこれは私のような一般ピーポーの読者に向けて言っているのではなく、生物学や医学の研究者に向けられている言葉ようです。

そして、「観察やデータ分析なら、お前ら(生物学や医学の研究者)より私(地球化学者)のほうが優れているから、より真実に近い答えを見出せる」って言いたいような気がします。

まぁ、はっきり明言しませんけどね。(笑)
彼女も学者ですから、いろんな人達を刺激しないように、まる~くオブラートに包んで書いていますが、注意深く読めば彼女の真意が分かります。

「ディオバン事件」があぶりだした、大学病院の無知・無教養ぶりがひどい

ディオバン事件

彼女の意見に全て賛同するわけではありませんが、私は「医者や医学・薬学関連の研究者は、データ分析がほとんど出来ないんじゃないか」と思ってます。

というのも、少し前に研究論文データの恣意的な操作が行われた「ディオバン事件」というのがあるのですが、改竄を行った問題の慈恵医大の調査報告書には衝撃的なことが書かれているんですね。

「自分達には、データ解析の知識も能力もなく、自分達がデータ解析を行ったことはない」

これは論文を担当した医師たちの証言です。

この証言の意味が分かるでしょうか?つまり、臨床試験を行っても、

  • そこからあがってくるデータを分析出来ない・・・。
  • 分析が出来ないから、意味が分からない・・・。
  • 分析できるプロがいない。人材がいない・・・。
  • データが間違ってる可能性に気づけない・・・。

これね・・・、ひじょ~~に深刻な問題です。
正直、ここまでいい加減だとは思いませんでした。

このような人達が、私達に向かって「EBM(科学的根拠に基づく医療)」とかほざいているんです・・・。

このディオバン事件では、キモである統計解析の部分を、なんと当事者であるノバルティス社の社員が行っています。

調査報告書には、「この社員が身分を隠してたんで、分からなかったんですぅ。。ボクたちは悪くないですぅ。。」とか言って被害者ヅラをしていますが、
上記リンクの報告書を注意深く読めば、大学側も最初から向こうの意図を分かったうえで加担していることが推測できます。

「何故私がそう考えるのか?」は長くなり過ぎるので解説は省きますが、報告書に出てくる望月教授の動向を追ってけば分かると思います。

ブログやツイッターなどで積極的に情報発信している医療従事者は、「臨床試験はそんなに甘いものじゃない」と言いますが、身内に「不正が行われているか否か」をチェック出来る人がいない、体制が整っていないのに、それでも「そんなに甘いもんじゃない」と主張する根拠が分かりません。(私大医学部ナンバー2の慈恵医大でさえ、あのザマです・・・。)

「統計的有意差」なんてものは、追跡調査を手抜くだけで簡単に実現できます。
被験者総数のわずか5~10%相当のデータを操作するだけで、簡単に「有意差」を生むことが出来ます。

もちろん、そんなことをすれば統計のプロは「不正の可能性がある」と見抜くことが出来るのでしょうが、大学病院があの「体たらく」じゃあ、ほとんど期待出来ないでしょう。

ましてや、日々の診療で忙しい地域の病院(医師)では・・・。



ということで少し長くなりましたが、以上の理由から、私は医学者(少なくとも日本の医学者)よりも、著者のほうが論文や統計データを分析出来る能力には優れていると思います。

よって、著者が導き出した結論は、少なくとも検討してみる価値はあると考えています。

著者が導き出した結論については、次回の章で詳しく述べられています。
次章が、本書の核心部分です。

第四章:金持ち女の病気

牛乳と女性が罹る病気

著者は自身の乳がんの進行とも戦いながら、過去のあらゆる論文や疫学データを分析し、ついに干草の山から針を探し出します。それが牛乳・乳製品です。

この章はとにかくデータが列挙されています。
参考文献は全て巻末に列挙されていますが、これを全てチェックするのは中々大変でした。(苦笑)著者が数年かけて集めたデータらしいので当然かもしれませんが・・・。

著者によれば、牛乳は乳がん以外にも様々な疾患と関係があるようです。
例えば、貧血や骨粗しょう症、Ⅰ型糖尿病や食物アレルギーなどが挙げられますが、全部解説すると長くなるので、ここでは乳がんや前立腺がんについてのみ解説します。

ミルクは、成長を促進する起爆剤(成長促進剤)

牛乳は食べ物ではなく、ホルモンカクテルである

牛乳や母乳には、親から新生児に託される数百種類の生理活性物質(性ホルモンを含む)が含まれているそうです。

生理活性物質は単なる栄養素ではありません。
遺伝子の活性を高めるものであり、人間の乳なら人間らしく、ウシの乳ならウシらしく成長するための起爆剤(成長促進剤)のようなものです。

これらのなかには成長や免疫機能に関わるものが多数含まれており、乳児の健全な成長のためにはなくてはならないものですが、「離乳期を過ぎてもミルクを飲んでいると、今度は悪影響を及ぼす」というのが著者の主張です。

動物はそういうことを本能的に分かっているのかもしれません。
離乳期を過ぎた哺乳類はミルクを飲まなくなります。離乳期を過ぎてもミルクを飲み続けるのは人間だけです。

著者が問題にしているのは、牛乳のような「異種動物のミルク(生理活性物質)を飲むこと」です。

ウシの生理活性物質(牛乳)を人間が飲み続けるとどうなるでしょうか?
さすがにウシにはなりませんが、(笑)「ウシらしく成長するための食べ物」を食べて、体に影響がないはずがありません。(※「生理活性物質は、胃酸や高熱処理で分解するのでは?」と思ってる方は、もう少し先までお読み下さい)

母乳は人間の赤ちゃんの為のものであり、牛乳は子牛の為のものです。
ですから、含まれている生理活性物質の質も量も種類も違って当然だし、異種動物のミルクを飲むのは有害にしかならない・・・。

たとえ母乳であっても、離乳期を過ぎたら飲んではいけない飲み物なのです。

牛乳に含まれる生理活性物質が、きちんと体に吸収されるこれだけの証拠

牛乳中の女性ホルモン

さらに悪いことがあります・・・。

普通哺乳類は出産後にミルクを出しますが、現代の酪農では妊娠後半のウシからも大量のミルクを搾っているそうです。

雌は妊娠すると、それがシグナルとなって血中の女性ホルモン(エストロゲン)濃度が何倍にもなります。

ヒープとハモンによれば、妊娠していないウシから搾乳したミルクの乳清(ホエイ)には約30pg/mlの硫酸エストロン(女性ホルモンの一種)を含んでいる。

ウシが妊娠するとその濃度が高くなり、妊娠41~60日には151pg/ml、妊娠220~240日には1000pg/mlに達する。

この硫酸エストロンは、口から入ってエストロゲン効果を示す女性ホルモンである。事実、妊娠馬の尿から抽出・精製した硫酸エストロンがプレマリンという天然経口ホルモン剤として医療に使われている。

※文字装飾や補足は管理人による
出典:ジェイン・プラント、佐藤章夫訳『乳がんと牛乳』計書房、2008.10.03発行、299頁

一応念のために説明しておきますが、硫酸エストロンは「口から入ってエストロゲン効果を示す」ので、胃では分解されません。もし分解されるなら、天然「経口」ホルモン剤として医薬品認可されるはずがありません。

つまり、牛乳の経口摂取でエストロゲン効果を示すことになります。

また、牛乳に含まれる生理活性物質のなかには、高温殺菌処理でも分解されないものがあるそうです。それが、著者が乳がんや前立腺がんの最大の原因であると主張している「IGF-1(インスリン様成長因子)」です。(※硫酸エストロンが熱分解されるかどうかは、只今調査中)

「インスリン様成長因子(IGF-1)」は、牛乳を63度で30分加熱するという滅菌方法では壊れない。普通の高温殺菌より高い175度で45秒間加熱してもIGF-1濃度が減少しなかったという報告もある。

出典:ジェイン・プラント、佐藤章夫訳『乳がんと牛乳』計書房、2008.10.03発行、137頁
Miller MA, Hildebrand JR, White TC, Hammond BG, Madson KS, Collier RJ.Determination of insulin-like growth factor-1(IGF-1)concentrations in rawpasteurized and heat treated milk.J Dairy Sci 1989;72(Suppl 1):186-187.

日本の酪農が採用しているのは「超高温短時間殺菌法(UHT法)」なのですが、それは120~150 ℃で1~3秒間の殺菌処理なので、牛乳中のIGF-1濃度はほとんど減少していないことになります。

著者は、さらにダメ押しをします・・・。
牛乳中に含まれている生理活性物質が、たとえ胃酸や高熱処理で分解されたとしても、もはやそれは大した問題ではない・・・。「実際に牛乳を飲んだ人のIGF-1(インスリン様成長因子)血中濃度は、上がっているのだ」と主張します。

イリノイ大学のエプスタイン博士が、組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)を注射した乳牛から搾乳した牛乳を飲むと、血液中のIGF-1濃度が増えて乳がんと大腸がんの発生が増えるという研究結果を報告した。

出典:ジェイン・プラント、佐藤章夫訳『乳がんと牛乳』計書房、2008.10.03発行、139頁
Epstein SS. Unlablled milk from cows treated with biosynthetic growth hormones. A case of regulatory abdication. Int J Health Services 1996;26:173-185.

「組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)は、日本では使用が禁止されているので、問題ない」とされる意見もありますが、著者は明確に反論しています。それについては後ほど・・・。

本書で紹介されていた参考文献以外にも、「牛乳の経口摂取で、血中のIGF-1濃度が上がる事例」がいくつかありました。

モンゴル・ウランバートルの46名の学童(10~11歳)に、1日710mlのアメリカの超高温殺菌の市販牛乳を1カ月にわたって飲ませたところ、血液中IGF-1濃度が23%上昇した

出典:Milk Consumption and the Prepubertal Somatotropic Axis

子供でも大人でも、乳製品を摂ると血液中のIGF-1濃度が増える。IGF-1レベルは、前立腺、結腸直腸、閉経前の乳癌、およびおそらく他の癌のリスクに関連してもよい。

出典:Nutritional Predictors of Insulin-like Growth Factor I and Their Relationships to Cancer in Men

300mlの牛乳を18ヵ月間飲んだ女の子(12歳)の血中IGF-1濃度は150mlの牛乳を飲んだ同年齢の子どもに比べて10%高かった

出典:Milk intake and bone mineral acquisition in adolescent girls: randomised, controlled intervention trial

よって上記3つの論文から、「牛乳は経口摂取で血液中のIGF-1濃度が上がり、血中濃度と摂取量が比例関係にある」ことが分かります。

IGF-1血中濃度が上がると、何故悪いのか?

著者は「牛乳や乳製品の摂取が、IGF-1血中濃度を上げる」ことを論証したうえで、「そのことがなぜ悪いのか?どう悪いのか?」を、これまたたくさんのデータを持ち出して解説します。

要点を簡単にまとめます。

  • IGF-1は細胞の分裂と増殖を起こし、その作用は細胞の分裂増殖が最も盛んなとき(乳児期と思春期。成人ではがんの増殖)に発揮されるという特徴がある。
  • ウシ成長ホルモン(BGH)とヒト成長ホルモン(HGH)は構造が違うが、インスリン様成長因子(IGF-1)は、ウシでもヒトでも同じ。
  • ミルク中のIGF-1濃度は、母乳より牛乳のほうがはるかに高い。さらに、組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)を与えられた乳牛のだすミルク中のIGF-1は、普通の牛乳より2~5倍も高く、その牛乳の肉のIGF-1濃度は普通の乳牛の肉の2倍ほど高い。(Safety of milk from cows treated with bovine somatotropin.)
  • 酪農業界は泌乳量の多い乳牛を選択育種してきているので、ウシ成長ホルモン(BGH)の分泌が多いウシになっている。 → 組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)を導入してなくても、IGF-1濃度が高くなってきている。
     → 1つ安心できるのは、日本やヨーロッパでは組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)の使用を認められていないことです。しかし、選択育種は昔から代々行っているので、日本産の牛乳でもIGF-1濃度が高くなっていることが推測されます。おそらく著者の真意は、ウシ成長ホルモン(BGH)を使うとか使わないとかそういうことではなく、「異種動物の乳を飲まなきゃいいじゃん?」ってことでしょう。
  • IGF-1は、牛乳を63度で30分加熱するという滅菌方法では壊れない。普通の高温殺菌より高い175度で45秒加熱してもIGF-1濃度が減少しなかったという報告がある。(Determination of insulin-like growth factor-1(IGF-1)concentrations in rawpasteurized and heat treated milk.)
  • 思春期になって女の子の乳房が膨らむのは、IGF-1の細胞分裂促進作用が働いているからだ。ということは、IGF-1が高くなっている牛乳・乳製品・乳牛肉が乳がん細胞の分裂を促し、乳がんの成長を促すのではないか?
  • 1998年にスーザン・ハンキンスン博士に率いられたアメリカとカナダの研究チームは、更年期直前の女性を調べたところ、血中のIGF-1濃度が最も高い女性は、最も低い女性と比べて乳がんになるリスクが3倍も高いという結果を発表した。この研究チームはIGF-1と乳がんの間に、間接的にではあるが本質的な関係があると述べている。(Circulating concentrations of insulin-like growth factor I and risk of breast cancer.
  • 乳がんの治療にタモキシフェンという薬剤が用いられているが、マギル大学のボーラック教授によると、その薬効の一部はこの薬剤が血中のIGF-1濃度を下げることにあると述べている。(Tamoxifen reduces serum insulin-like growth factor I (IGF-I)
  • マギル大学とハーバード大学の研究者は、血液中のIGF-1濃度が前立腺がんの発生とも関係が深いという研究結果を発表している。この報告によると、IGF-1濃度が最も高い男性は、最も低い男性に比べて前立腺がんのリスクが4.6倍であった。それまでは、前立腺がんの要因としてテストステロンなどの男性ホルモンが注目されていたが、今ではIGF-1がより重要なリスク要因として脚光を浴びるようになった。(Insulin-Like Growth Factor-I (IGF-I) and IGF Binding Protein-3 as Predictors of Advanced-Stage Prostate Cancer
  • さらにIGF-1は、乳腺細胞と前立腺細胞だけでなく、多種多様な細胞の分裂と増殖を刺激するから、この成長因子と他の一般的ながんとの関連を指摘する研究者もいる。Insulin-like growth factor-I and new opportunities for cancer prevention
  • イリノイ大学のエプスタイン博士が、組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)を注射した乳牛から搾乳した牛乳を飲むと、血液中のIGF-1濃度が増えて乳がんと大腸がんの発生が増えるという研究結果を報告した。(Unlablled milk from cows treated with biosynthetic growth hormones. A case of regulatory abdication. Int J Health Services)
  • IGF-1は、IGF-レセプター(受容体)を介して乳がん細胞の増殖を促す。(Insulin-like growth factor receptor expression and function in human breast cancer.
     → 論文には、ホルモン依存性の乳がんには、3つの受容体(IGFー1、IGF-2、インスリン受容体)があり、モクロナール抗体(受容体をと抗原との結合をブロックするタイプの薬)はIGF-1およびIGF-2受容体を効果的にブロックするが、インスリン受容体はブロックしないと書かれています。ということは、ホルモン依存性の乳がんの進行を抑えるためには、糖質制限が有効かもしれません。
  • 培養乳がん細胞は、ごく微量のIGF-1に反応して分裂増殖する。(Effects of insulin-like growth factors (IGFs) and IGF receptor antibodies on the proliferation of human breast cancer cells
     → MCF-7細胞(ホルモン依存性の乳がん細胞)は、IGF-1およびインスリンと結合することで、4倍~5倍ほど活性化したと書かれています。モノクロナール抗体(αIR3)における受容体のブロック率は、IGF-1が約50%、インスリンがわずか5%、IGF-2はほとんどブロックしないという研究結果が出たそうです。IGF-1については薬で対抗できますが、インスリンとIGF-2に対しては有効ではありません。本によれば、牛乳に含まれているIGF-1濃度は30ng/ml程度なのに対して、IGF-2濃度は350ng/mlと10倍以上も高いそうです。IGF-1に研究者の関心が集中したためにIGF-2に関する研究が非常に少ないようですが、今後の進展が望まれます。最近は糖質制限があちらこちらで叫ばれていますが、「糖質制限がガンに効く」という話は、ガン細胞がインスリンとの結合を減らせるという意味で信憑性がありそうです。
  • ほとんど全ての系列の培養乳がん細胞と、乳がんの生検によって得られたがん細胞は、IGF-1受容体を持ち、その結合能力は正常乳腺細胞よりも優れている。乳がん女性の血中IGF-1濃度は、健康女性の濃度より高かった。(Plasma insulin-like growth factor-1 (IGF-1) concentrations in human breast cancer
     →これはかなり重要なことを言っています。乳がんは薬物療法を行う前に生検を行い、「乳がん細胞がエストロゲン受容体に反応するのか?」「プロゲステロン受容体に反応するのか?」「それともHER2が発現しているのか?」を調べ、それに効果のある薬剤で治療するのですが、この論文によると「どんなタイプの乳がんもIGF-1受容体が過剰発現している」と言っています。ということは、「牛乳・乳製品絶ち」は全てのタイプの乳がんに有効かもしれません。
  • IGF-1によって乳がん細胞の細胞周期が変化する。IGF-1の濃度がわずかに変わるだけで、乳がん細胞のそれぞれの分裂段階にある細胞の割合が変わってくる。(Acute effects of growth factors on T-47D breast cancer cell cycle progression
     → IGF-1濃度がわずかに変わるだけで、がん細胞分裂速度が変化する。IGF-1とインスリンは、乳がん細胞(T-47D細胞)に対して同程度の増殖効果があるそうです。
  • 乳がん細胞には、IGF-1受容体が過剰発現している。この受容体にIGF-1や他の成長因子が結合して乳がん細胞が分裂・増殖する。乳がん細胞のIGF-1受容体は、これらの成長因子に対して反応性が高い。(Growth factors: Mechanism of action and relation to oncogenes
  • 「ヒトの唾液中に含まれているIGF-1は消化管で分解されるから、牛乳のIGF-1も消化管で消化されるはずだ」と酪農業界は言うが事実は違う。牛乳中に存在するIGF-1は牛乳の主要タンパク質であるカゼインに保護されているため、消化をまぬがれてしまうと考えている研究者もいる。(Degradation of IGF-I in the adult rat gastrointestinal tract is limited by a specific antiserum or the dietary protein casein)(Gastrointestinal absorption of epidermal growth factor in suckling rats
     → この説明には納得出来ません。というのも、カゼインタンパク質は、人間が普通に消化出来るからです。「消化しやすい」とか「しにくい」とか様々な意見がありますが、とにかく消化できます。だからIGF-1も消化されてしまうのではないかと思いますが、上記でも述べたように「消化されるかどうか」は関係ありません。「牛乳を飲んだ人のIGF-1血中濃度が上がっている」という事実があるからです。たとえIGF-1が胃酸によって粉々に消化されたとしても(どういう経緯を辿るかは不明ですが)ヒトのIGF-1血中濃度は上がるのです。理論やプロセスを解明するのは時間がかかるかもしれませんが、とりあえず「牛乳飲んだら、血中の女性ホルモン濃度が上がる」という結果は重視するべきだと思います。

上記の要点は、著者が最も関心のあるIGF-1に関する話のみですが、牛乳・乳製品・乳牛肉には「IGF-1(インスリン様成長因子)」「プロラクチン」「その他のエストロゲン」などなど、多種類の生理活性物質が含まれています。

これらがどのように複合的に作用するのかは、まだよく分かっていません。

「乳がんの原因は、牛乳&乳製品説」への反論と、その検証

著者はこの本を出した時、様々な団体や研究者から批判を浴びたようです。
まぁ、当たり前ですが(笑)その意味では「論争を巻き起こす」という目的は、彼女は果たせたわけですね。

下記のような反論が、様々な業界や団体から出されています。

  • IGF-1(インスリン様成長因子)は、胃酸で分解されるから大丈夫。
  • IGF-1(インスリン様成長因子)は、高熱殺菌処理で不活化されるから大丈夫。
  • IGF-1(インスリン様成長因子)は、肝臓でも作られるものだから大丈夫。
  • 最近は組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)を使わなくなった酪農家も多いし、牛乳に含まれるIGF-1(インスリン様成長因子)の含有量も少ないはずだ。
  • 牛乳を飲まなくても乳がんになるし、飲んでも乳がんにならない人はいる。
  • 乳がんには様々なタイプがある。牛乳や乳製品だけが悪いわけじゃない。

既にいくつかは著者による再反論がなされていますし、上記で解説が終わっているのもありますが、私の考察も交えながら改めて解説していきます。

胃で分解されたり、超高温殺菌処理されて不活化するので大丈夫では?

既に解説したのですが、あちこちで言われている典型的な反論なので、もう1度簡単に解説します。

牛乳を飲めば、血中のIGF-1(インスリン様成長因子)濃度が上昇するのは科学的に証明されています。

消化管で分解されようが熱処理で不活化されようが、牛乳を飲むと「血中のIGF-1(インスリン様成長因子)濃度が上昇する」という結果が出てるのです。(※既に「胃では分解されない」「熱処理では不活化されない」ことが証明されてはいますが、それに関して私自身は納得していないのは、上で書いた通りです)

よって、上記2つは反論になっていません。

肝臓で作られるものだから、食品から摂っても大丈夫じゃないの?

IGF-1(インスリン様成長因子)は「成長因子」ですから、乳児の健全な成長に必要不可欠であるのは、著者も同意しています。

それはヒトの体内でIGF-1(インスリン様成長因子)が作られることからも明らかです。

著者が問題にしているのは、IGF-1(インスリン様成長因子)が体内で過剰になることです。「これが細胞のガン化の原因であり、牛乳や乳製品がIGF-1濃度の過剰上昇を引き起こしている」と主張します。

コレステロールは体に必須なものだが、摂り過ぎると今度は動脈硬化になるだろう・・・。それと同じだ。

なるほど。分かりやすい例えだと思います。

問題は「血中IGF-1濃度がどれくらい上がるとヤバイなのか?(血中IGF-1濃度の基準値)」ですね。これを知っておく必要があります。

この本の残念なところは、その部分が説明されていないことです。
どんな物質にも「基準値」があるにも関わらず、それを考慮せずにIGF-1(インスリン様成長因子)を断罪しているところです。はっきりいえば、偏っています。

確かに牛乳や乳製品はIGF-1濃度を上げるかもしれない・・・。
上記の要点のように、乳がんや前立腺がん、あるいは結腸がんのリスクをあげるのかもしれない・・・。

しかし、だからといって「IGF-1濃度が少しでも上がるとヤバイ」ってことにはなりません。

どんなに体に良いものでも、摂り過ぎると「毒」になるし、どんなに猛毒でも、摂取量を適切にすれば「薬」になるのです。抗がん剤がいい例です。(※「遺伝的な個人差」も関係します)

ですから、究極的な話をしちゃえば「摂取基準量は決められない」のですが、一応公的な機関やそれに準ずるところが調べているはずなんですよね。それを見てから判断するのが賢明だと思います。

IGF-1の基準値から、牛乳に含まれるIGF-1の有害性を考えてみる・・・。

ってことで、血中IGF-1濃度の基準値がいくつなのか調べてきました。
(こういうのを本に載せればいいのに・・・。)

血中IGF-1濃度の基準値

出典:成人の成長ホルモン分泌不全症

上記の数値がどのようにして導き出されたものであるかは議論の余地がありますが、これを見ると「基準値の幅がけっこうある」ことに気づきます。

これ、何を意味しているのかというと、「血中IGF-1濃度が、多少多かろうが少なかろうが、人体にそれほど影響はない」つまり、「そんなに危険な物質ではないんじゃないか?」ってことが推測できるんですね。(※あくまで私の推測ですが・・・。)

上記で紹介した論文と照らし合わせて考えてみると、「児童が牛乳を飲んで血中IGF-1濃度が10%~23%くらい上がったとしても、そんなに大きな問題にはならないんじゃないか?」という気もしますが、別な論文によれば、「血中IGF-1濃度が最も高い女性は、最も低い女性に比べて乳がんになるリスクが3倍も高い」と結論付けています。前立腺がんに関しては、乳がんよりもさらにリスクが高そうです。(4.6倍だし)

このことから考えられるのは、

  • 論文が間違っている
     → 昨今の論文不正が多発している状況を鑑みると、普通にありえる。
  • 血中IGF-1濃度の基準値設定がおかしい。
     → 基準値の幅を大きくとったことで、基準値内にも関わらず、乳がんや前立腺がんが発生してしまう人だっているのではないか?

つまり、「論文の中身がおかしい」か「基準値設定がおかしい」かのどちらかです。

どちらがおかしいのでしょうか?まずは、論文の妥当性を疑ってみましょう。
「乳製品と乳がんの関連性」については、疫学調査をみれば一発で分かります。

分かりますが、そんな疫学調査はないでしょう・・・。
行うことが実質不可能だと私は考えています。

牛乳だけなら可能でしょうが、そこに「乳製品も含む」となると、対象範囲が一気に広まり、

  • 「どこからどこまでを乳製品とするのか」の定義が難しい
     → 原材料に「乳」とついていれば、即アウト?だとしたら守らない人が絶対出てくるでしょう。
  • 乳製品があまりにも多過ぎるので、被験者がそうとは知らずに食べてしまう可能性が高い

などなど・・・。「追跡&管理」が難し過ぎて、得られた結果の蓋然性が極めて低いのです。

たぶん複数の刑務所に協力を要請し、いくつかのグループに分けられた受刑者に対して「調整された食事」を与えるくらいのことをやらないと、正確な調査結果が得られないと思います。(母数も年数も足りないでしょうが)

ということで、個人個人の消費量を把握するのは無理なので、国別の消費量を比較してみましょう。疫学調査ほど正確ではありませんが、ある程度信頼のおける結果が導けますので参考にはなります。

乳製品と消費量と乳がんの発生率

ごらんのとおり、ウルグアイなどの一部の例外を除けば、乳がん発生率と乳製品の消費量は、完全な比例関係にあります。

この図をみれば、乳がんの発生率と乳製品の間にはやはり因果関係があるし、論文の結果が間違っているとは思えません。

以上のことから、私は「IGF-1基準値に問題がある」と結論づけました。つまり私達は、IGF-1基準値が間違って設定されているために、IGF-1を過剰に摂取している傾向にあるので、乳がんや前立腺がんの罹患率が上昇している可能性があるのです。

【IGF-1よりヤバイ!】実際に牛乳を飲んだときの、血中女性ホルモン濃度の上がりかたが半端ない・・・。

IGF-1(インスリン様成長因子)以上に懸念すべきものがあります。
それは牛乳に含まれる女性ホルモンです。

上記で述べたように、牛乳を飲むと血中の女性ホルモン濃度は上がります。
ただ、本には硫酸エストロン(女性ホルモンの1種)のみの記述が少しあるだけで、その他の女性ホルモンの記述がありません。

私自身色々調べてみましたが、「牛乳中にどれだけの女性ホルモンが含まれているのか?」「母乳と比べてどうなのか?」などが解説されている書籍や記事は皆無でした。

私が気になっていたのはエストラジオール(E2)です。
エストラジオールは、女性ホルモンの中でも非常に反応が強く、その活性度はエストロンの2倍、エストリオールの10倍あると言われています。(参考:エストラジオール

一般的には「乳がんは女性ホルモン(エストロゲン)の過剰」「前立腺がんは男性ホルモン(テストステロン)の過剰」と言われていますが、調べてみるとどちらもエストラジオールが関係していることが分かりました。

前立腺がんとホルモン

男性ホルモン(テストステロンなど)は前立腺の発育に必須である。成人になっても、前立腺が正常に機能するためには男性ホルモンが欠かせない。

前立腺がんは精巣摘出、あるいはエストロゲン投与によって一時的に腫瘍が小さくなるなどの理由で、前立腺がんと男性ホルモンとの関連性が論じられてきた(25)。しかし、前立腺がんは60歳未満には稀で、60歳を超えてから加速度的に増えはじめる。

60歳以上の男性では、男性ホルモンに対して女性ホルモンが相対的に増える(26)。フィンランドで行われた25年間にわたる追跡調査で、血液中のテストステロン濃度と前立腺がんの間には関係がなかった(27)。

日本人に比べてアメリカ人に前立腺がんの多いのはテストステロンに違いがあるのではないかと考えて、アメリカ人と日本人のテストステロン血中濃度を比較してみた研究者もいる。その結果、両国人の間には差はみられなかった(28)。正常な前立腺組織と腫瘍組織がともにアルファ(a)およびベータ(b)エストロゲン・リセプターが発現している(29)。

また、LNCaPという前立腺がん細胞がごく微量のエストラジオール(エストロゲン)で増殖することが明らかにされている(30)。さらに、アンドロゲン・レセプターに結合するホルモンはテストステロンなどの男性ホルモンだけでなく、エストロゲンも結合し前立腺の発育に大きく関与することが明らかにされている(31)。

牛乳が前立腺がんのリスク・ファクターであるという疫学研究はたくさん報告されている(32-41)。一例として、北イタリアで行われた患者-対照研究を紹介する(36)。

この研究は、組織学的に確認された96例の前立腺がん患者を患者群とし、急性の非腫瘍性生殖器疾患の292例を対照群として行われた。ミルク消費量が増えるにしたがって前立腺がんのリスクが有意に上昇するという結果が得られた。ミルクを飲まない者あるいは時々しか飲まない者に比べて、1日に2杯以上のミルクを飲む者の相対危険度は5.0(95%信頼区間1.5-16.6)であった。

(※)装飾は管理人

出典:女性ホルモンと男性生殖器

リンク先によれば、前立腺がんと男性ホルモン濃度には関係がなく、女性ホルモン濃度が関係している。特に生理活性が高いエストラジオール濃度に強い関係が見られるそうです。

これが牛乳に大量に含まれていたら大変だし、分解されずに胃腸から吸収されてエストラジオールの血中濃度を大幅に上げるとすれば、「牛乳・乳製品は、乳がんや前立腺がんのリスク要因である」と、ほぼ確定です。

この仮説を、牛乳を飲んだ後、尿中に排泄されるエストロゲン量を調べることによって証明した丸山和美博士の研究があります。

丸山たちは7歳3ヶ月から9歳9ヶ月の前思春期の子ども7人(男子3人、女子4人)に単位体表面積当たり600ml(飲用量490~640ml)の市販牛乳を10分以内に飲ませて、飲用前後に尿中に排泄されるエストロン・エストラジオール・エストリオールを測定した。

1名の女子は490mlを飲むべきところ180mlしか飲めなかった。この1名を除いた6名についての牛乳飲用前後の尿中エストロジェン濃度が測定されている(下図)。

牛乳引用前後の尿中エストロゲンの排泄量(前思春期のデータ)

尿中に排泄されるエストロン・エストラジオール・エストリオールは牛乳飲用の1時間後から増加しはじめ4時間以内にピークに達した。その増加は統計学的に有意であった。

牛乳には多量の脂肪が含まれているために全乳のエストロジェン濃度を測定することは難しい。しかし、尿中のエストロジェン濃度の測定は容易である。

出典:Exposure to exogenous estrogen through intake of commercial milk produced from pregnant cows

これはね・・・。「統計学的有意差が出た」どころの話じゃないです。
男性ならば牛乳を1回飲んだだけでエストラジオールの基準値を超えます。

エストラジオールの基準値

しかもこれ、単位を直すの忘れたんですが(苦笑)上記2つの図の単位を比べて下さい。
ナノグラム(ng)とピコグラム(pg)ですからね・・・。1ナノグラムは1000ピコグラムです。(参考:分量・倍量単位

私が何を言いたいのか・・・、これ以上説明しなくても分かるはずです。
500ml前後の牛乳を飲んだだけで、基準値を圧倒的にふりきっちゃうほどの女性ホルモンが体に吸収されるってのは、普通にヤバイと思うんですが・・・。皆さんはどう思いますか?

新谷博士が提起した「牛乳有害説」なんか、これに比べたらかわいいもんです。
かわいすぎて、思わず笑みがこぼれてしまうレベルです。

おそらく食べ物のなかで、これほどエストラジオール値を上げるものは他にないと思います。
たぶん、医薬品並みでしょう。女性ホルモン薬と牛乳の薬物動態を比較してみたいくらいです。

しかも「摂取量に比例して血中濃度が上がる」わけですから、牛乳好きの血中女性ホルモン濃度はかなり高いでしょうし、ほかに乳製品も食べるでしょうからかなりのもんでしょう。

念のために解説しておきますが、尿中に排泄される女性ホルモン量が増えているのならば、それ以上の量が体中をめぐっていることになります。

「尿に含まれてる」ってことは「腎臓がろ過した」ってことです。
腎臓は、血液中から余分なものをろ過して体外に排出するのですから、「尿中に排出された女性ホルモンは、元々は血液中に存在していた」ということになります。

ろ過できなかったものは血液中に残っているか、体中の細胞に散らばってしまっているので・・・。

尿中に排出された女性ホルモンの量 < 体内に吸収された女性ホルモンの量

上記のような関係が成り立ちます。

これはもう業界がなんと言ったってダメでしょう・・・。
「ラクトフェリンが免疫力を上げる」とか「タンパク質が豊富」だとか「骨を強くする」とか言ったって、それをはるかに上回るほどのがあります。

私も一読した時点では「まぁ、こういうこともあるかな」ぐらいの認識だったのですが、面白い本だったので書評するつもりで「主張の裏づけ」や「気になったこと」を調べてみたところ、
もっと凄い事実があってびっくりしたって感じです。

組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)を使用しなければ、安全なのか?

著者は、「IGF-1(インスリン様成長因子)の過剰摂取が乳がんや前立腺がん、その他の疾患のリスクを上げる」という科学的根拠を示したうえで、「だから、異種動物のミルクを飲むのは危険だ」と主張しています。

つまり、「異種動物のミルクの飲用」を問題にしているのであって、「組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)」を使っているか、いないかについては、「もう、その議論は終わっている」という立場なのです。

事実、EU圏ではこの本が出版されるだいぶ前から(1995年)「組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)」を使うことを禁止しています。(※アメリカはまだ使っている。)このことから、業界側も「IGF-1(インスリン様成長因子)の過剰摂取は危険である」と認識していることが分かります。

どんなにまともに育てられた乳牛だって、母乳と比べたら何倍もの生理活性物質が含まれていますし、恐ろしい勢いでIGF-1や女性ホルモンの血中濃度を上昇させますから、薬を使っていようがいまいが、「ダメなものはダメだ」という立場でしょう。

現代の酪農はまともではありません。

  • 搾乳期間があまりにも長過ぎる
  • 搾乳児期と妊娠時期がかぶっている

この2つが原因で、数世代前の牛乳よりも「生理活性物質を大量に含んだ牛乳」になっています。血中女性ホルモン濃度が高い妊娠後期にも搾乳するからです。

上記でも示しましたように、例えば女性ホルモンの一種である硫酸エストロンなどは、妊娠時とそうでない時期では、牛乳中に含まれている濃度が30倍以上も違います。

しかも硫酸エストロンは、経口摂取で血中の女性ホルモン濃度を上げます。
もちろん「組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)」を使用していない状況での話です。
最も生理活性の強いエストラジール(E2)の含有量も、おそらく増えているでしょう。

酪農業界は泌乳量の多い乳牛を選択育種してきているので、ウシ成長ホルモン(BGH)の分泌が多いウシになっています。

ウシ成長ホルモン(BGH)の分泌が多いと牛乳の生産量も増えますし、牛乳に含まれるIGF-1(インスリン様成長因子)も増えてくるのです。

下記の図でも分かるとおり、乳牛1頭あたりの乳量は、年々増加しています。

生乳生産量と経産牛1頭当たり生産量の推移

図を見ると、生乳生産量は減少傾向にありますが、準産牛1頭あたりの産生量が増えています。
組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)の使用が認められていないのに、準産牛1頭あたりの産生量が増えているのです。

酪農業界は「技術の進歩である(`・ω・´)キリッ」と言っていますが、素直に喜んでいいものでしょうかねぇ・・・。

現在店頭に並んでいる牛乳は、過去の牛乳より多くのIGF-1を含んでいることでしょう。
おそらく女性ホルモン、その他の生理活性物質も増えていると思います。

著者や参考文献の指摘が全て正しいとすると、私達は普段の食事から大量の女性ホルモンを摂取していることになり、しかも摂取量が年々増えていっていることになります。(※牛乳だけではなく、乳製品も含めて考えるとそうなります)

よって、「組み換えウシ成長ホルモン(rBGH)を使用しなければ、安全」というのは間違いです。

「牛乳を飲まなくても乳がんになるし、飲んでも乳がんにならない人はいる」これを「論点ずらし」といいます

著者の主張は、牛乳・乳製品が乳がんや前立腺がんの「リスクを上げる」ことです。
「0%か100%」という話をしているわけではありません。そんなものは世の中に存在しません。

タバコを吸っても肺がんにならない人は一定数いますし、タバコを吸わなくても肺がんになってしまうこともあります。

しかし、「タバコが、肺がんのリスク要因である」ことは確かであり、科学的根拠も揃っています。著者が言いたいのは、「牛乳や乳製品は、肺がんにとってのタバコのような存在なんじゃないですか?」ということです。

「タバコが好きな人は吸ったらいい・・・。
牛乳や乳製品が好きな人は、好きなだけ食べたらよい・・・。
私はこれらの嗜好品が危険だから、市場から排除せよと言うつもりはない。
しかし、「乳がんや前立腺がんのリスク要因である」ことは、もはや疑いようがないほどの科学的根拠が揃っている。
このことが私達に知らされていないのが非常に問題であり、リスクを知ったうえでの選択が出来ていない。肺がんのリスクを知ったうえでタバコを吸うことは出来るのに、牛乳や乳製品については「それ」が出来ていないのが非常に問題だ。」

これが彼女の主張です。
彼女は牛乳よりも、その危険性が知らされない「社会構造」のほうが怖いから、第1章と最終章で「科学」や「社会」のおかしさを述べたうえで、「自分の命は自分で守るしかない」と主張します。

牛乳よりもこちらが1番言いたいことでしょう。
原著のタイトルは「Your Life in Your Hands(あなたの命はあなたの掌中にある)」ですからね・・・。

彼女の最終目的は、乳がんをめぐる論争を巻き起こしたうえで、最終的にはタバコのように「牛乳や乳製品は、乳がんや前立腺がんのリスク要因である」と、科学的根拠と合わせて世界中に周知させることでしょう。

ですから、彼女に反論するなら彼女が示している論理と証拠を突き崩さないといけないでしょう。

ということで、「牛乳を飲まなくても乳がんになるし、飲んでも乳がんにならない人はいる」は、的外れな反論です。

乳がんには様々なタイプがある。牛乳や乳製品だけが悪いわけじゃないのでは?

上記でも述べたとおり、全ての乳がんにはIGF-1(インスリン様成長因子)受容体が過剰発現していることが明らかになっているので、牛乳や乳製品の摂取量を減らすことで、がん細胞にある受容体との結合を減らすことが出来ます。

よって乳がん・前立腺がんの予防や治療の為に、少しでも牛乳や乳製品の摂取を減らすことは合理的だと思います。

また、「乳がんには様々なタイプがある」からといって牛乳や乳製品の疑いが晴れたわけではないし、著者は牛乳や乳製品「だけが」悪いとは一言も言っていません。

著者は地球化学者らしく、様々な化学物質や環境ホルモンの影響、西洋的なライフスタイルに対して、5章・6章を割いて警告を発しています。

どちらかと言えば、「これさえやればOK!(^ー^)」みたいな、要素還元主義的な発想で治療を行っているのは医学のほうではないでしょうか?

はじめのほうでも書きましたが、「物事を複数の視点から眺めることが出来る人」は、
「これさえやればOK!(^ー^)」みたいな発想は出てこないです。
視点を変えるたびに新たな発見があるからです。

  • がんを標準治療を行う側の視点から眺めてみる・・・。
  • がんを東洋医療・漢方の視点から眺めてみる・・・。
  • がんを分子栄養学の視点から眺めてみる・・・。
  • がんを運動力学の視点から眺めてみる・・・。
  • がんを哲学の視点から眺めてみる・・・。
  • がんを政治・経済・国際関係論の視点から眺めてみる・・・。
  • がんをサッカーの視点から眺めてみる・・・。
  • がんを将棋の視点から眺めてみる・・・。

なんか全然関係なさそうなものが混ざっていますが、(笑)
一見関係のなさそうなものほど、新たな発見が見つかったりします。
そうすると、また「新しい視点」が生まれたりするのです。

そういうことが出来る人と、三大療法(標準治療)の視点しかない専門家・・・。
果たしてどちらが優れているでしょうか?
どちらが先に「答え」を見つけることが出来るでしょうか?

1つ言えるのは、科学があまりにも細分化し過ぎているせいで、科学者が分野を跨ることができづらくなり、視野がどんどん狭くなっていることです。


3大療法をどんどん突き詰めていったら、いつかは患者の納得出来るような成果を上げることが出来るのか?

もう少し違う視点からガンというものを眺める必要があるのか?

「予防医学」に力をいれるべきではないのか?

日本でがん患者が5000万人を突破した時代が来た時に、(仮にガンの特効薬が出来たとして)その5000万人全てが治療の恩恵に授かることが出来るのか?

病気はガンだけじゃない。近年はうつ病をはじめとした精神疾患が急激に増えてきてるし、糖尿病も増えている・・・。

社会保障費はどうなっているのか?

果たして国は維持できるのか?

そういうことを考えている医者や製薬会社はどれくらいいるのか?

保険制度を崩壊させるようなことをしていないのか?

自分で自分の首を絞めていないか?


様々な視点からガンというものを眺めたときに「こりゃ、大変な問題だな」と思うわけです。

正統派医学が行っていることは、果たして「将来も継続可能で合理的な医療」なのでしょうか?

社会保障費がパンクする前に、落ち着いて考えるべき時期にきていると思います。

反論と考察についての簡単なまとめ

以上、様々な反論と私自身が色々調べてきたことを述べてきましたが、どの反論も著者の説を揺るがすものとは言えないでしょう。(※同時に、著者の説にも確実ではない部分はあります)

著者もこれまで様々な批判や反論を受けてきましたが、「2000年の初版の内容に一文たりとも変更を迫るような科学的事実を提示されたことはない」と、序文で書いています。

と同時に、著者が念を押して繰り返し主張することは、「牛乳を飲んだからといって、必ずしも乳がんになるとは限らない」ということです。

「タバコを吸ったら肺がんになる危険が高まるが、肺がんになるとは限らない」ことと同じように、要は「リスクが高まる」だけであり、それを十分に承知したうえで嗜好品を楽しむのは個人の自由だから構わないのです。

業界・科学者・政府に対する批判

そのうえで彼女は業界や科学者や政府に対して強い批判を向けています・・・。

ジェインの熱い叫び

この記事では省きましたが、「牛乳や乳製品は、乳がんや前立腺がんだけではなく、貧血や骨粗しょう症、Ⅰ型糖尿病、食物アレルギーなど、実に多くの病気に関わっている」と科学的根拠つきで解説されています。

著者に言わせれば、これら(牛乳・乳製品)はどう考えても健康に良いわけがなく、せいぜい嗜好品に過ぎないのです。

本書が出版される数年前に、EUの酪農業界では「組み替えウシ成長ホルモン(rBGH)」の使用を禁止しています。ですから、前々から牛乳に含まれる生理活性物質が与える影響に気づいていたのではないでしょうか?少なくとも、気づくチャンスはあったはずです。

それなのに、相変わらず「丈夫な骨を作る」とか「健康の為に」などを言ってるのは明らかに違う!事実と異なることを広めて消費者を惑わさないで欲しい・・・。

科学者(特に医療関連)に対しても批判しています。

彼女が新たに発見したことは、なにひとつありません。
がんを様々な視点から捉え、過去の知見と知見を「結びつけた」だけです。

つまり、科学的手続きを踏むことに手馴れてる科学者なら、たくさんの論文にあたれば著者と同じ結論に辿り着くはずです。専門分野の科学者(医学者)なら、なおさらです。

予防原則の立場に立って、少なくとも「乳がん・前立腺がんの遺伝的負荷のある者は、乳・乳製品を避けたほうがよい」ということぐらい伝えるべきでしょう。

それなのに、それを伝えようとした科学者がほとんどいなかったことを、彼女は非常に危惧しています。

専門家は、乳がんや前立腺がんのリスク要因をより深く知る立場にあるし、そのリスクを一般の人に分かりやすく伝える責任を負っている。それなのに、リスクを伝えようとすることもなく、費用のかかる早期発見・早期治療の必要性を強調するばかりである。

出典:ジェイン・プラント、佐藤章夫訳『乳がんと牛乳』径書房、2008.10.03発行、267頁より引用)

彼女は政府の対応に対しても批判しています。
本書ではタバコ論争やBSE事件を引き合いにだし、「産業界の代弁者となっている」ことを指摘します。

「日本と全く同じじゃん(´・ω・`)」と思いました。

大学の研究資金が国から支給されなくなり、製薬会社や食品業界からの支援に頼らざるを得なくなったのも日本と似ています。

そのおかげで産業界が強大な力を持つようになり、同時に政治権力を持つようになったのも似ています。

世界はグローバル化が進んでいますから、先進国ならどこでも似たような状況なのでしょう・・・。いまや「国より企業が力のある時代」なのです。

TPPはその流れからでてきたものであり、自国のグローバル企業を、より儲けさせるために行う貿易交渉です。いや、「自分たち(企業)がより儲けるために、自国の政治家を使って交渉にあたらせている」というのが実情かもしれません。つまり、国主導ではなく「多国籍企業主導」なのです。

あれの参加国のどこの国民だって得をしません。アメリカ国民でさえ損をします。
得をするのは、安い賃金を求めるグローバル企業だけです。そういうこと(国民の為にならないこと)を分かってて、各国のトップ達は「しぶしぶ」交渉をしています。

グローバル企業は強力な票田になりますし、あちらからも「お返し」がありますから、だんだんマヒしてきて政府は逆らえなくなります。

なので、タバコには有害物質を含んでいて肺がんリスクがあることが分かっていても、政府は業界のために(はじめの頃は)なにも対策をとらなかったし、BSEのときだってイギリス政府は科学者まで使って最後まで「牛肉は安全だ」「BSEはウシの病気でヒトにうつることはない」といい続けてきました。

政府は業界を守らずに国民を守るべきである・・・。

著者はこのように主張します。

しかし、そのように主張しても、現状はきっと変わらないこともよく分かっているのでしょう・・・。

だから、「Your Life in Your Hands(あなたの命はあなたの掌中にある)」であり、最終章では「自分の命は、自分で守るしかない」と言っているのです。

「乳がん・前立腺がんの原因は乳製品」と公言してきた私は、激しい個人攻撃を受けた。たとえば、アメリカ酪農評議会の副会長を務めるミラー博士は「プラント教授個人の一例研究に基づく意見で客観性がない」と延べ、私の主張には「科学的根拠がない」と言う。

BSEと変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の関係について、私たちイギリス国民は何度、この「科学的根拠がない」という言葉に騙されてきたことか。

「科学的根拠がない」のは「証拠を見いだそうとする努力をしていない」ということに過ぎない。

(※)文字装飾は管理人

出典:ジェイン・プラント、佐藤章夫訳『乳がんと牛乳』径書房、2008.10.03発行、265頁より引用)

科学的根拠とかエビデンスとか言われたら、「とりあえず身構えるクセ」をつけたほうがいい

科学的根拠とかエビデンスとか言われたら、「とりあえず身構えるクセ」をつけたほうがいいのかもしれません。(私もよく使いますから、私の記事も疑ってかかったほうがいいです。笑)

過去の記事でも何度か書きましたが、「数字は嘘をつかないが、数字を操る人間が嘘をつく」のです。

彼らは数字の解釈を意図的に変更します。
もう少し具体的に言えば、自分たちに都合のいい結論を導く為の指標を勝手に設定するのです。「5年生存率」はまだいいのですが、「奏効率」とか「PFS(無増悪生存期間)」とか、なんですかねぇあれは・・・。

専門家の間にだけコンセンサスを得られた指標に何の価値があるのでしょうか?
私達患者は・・・。

  • その指標の意味や、その指標がどのような経緯で作られたものであるか理解しているでしょうか?
  • その指標を用いる妥当性を考えたことがあるのでしょうか?
  • 理解した上で治療方針を決定しているのでしょうか?

私は到底納得出来なかったから、抗がん剤治療は拒否しました。

抗がん剤治療は(状況にもよるが)やはり微妙だと思う
抗がん剤治療に関する私の考えを、率直に述べます。「延命効果がある」という医学的根拠はありますが、何をもって延命と呼ぶのか考えたことはありますか?「延命の定義」というものが、医療従事者と私達一般人がイメージするものと違う可能性を考えなければいけないと思います。

私は患者が本気で勉強して「その指標の意味」を知ったとき、その大多数が納得しないと思います。

「専門家の間にだけコンセンサスが得られている指標」「患者が置いてけぼりになっている指標」によって、医薬品や治療法の認可・不認可が決定されています。

つまり、どんなに素晴らしい厳密なデータであっても、指標の前には無力です。
指標をどう設定するかによって、結論がコロコロ変わることを私達は知っておくべきだと思います。そして、その指標を決定するのが「感情的な人間」なのです。

俺は数字で具体的に示されたものしか信用しない・・・。

という頭の固い男ほど、数字に騙されます。

そういう人は数字(論理)を基にしてしか判断できない哀れな人間であり、そもそも数字は世界で最も抽象化された言語であるのに、「数字で具体的に~」なんて言っちゃうイタイ人なんです・・・。

抽象と具体を自由に行き来する能力がない人が、数字(論理)を使って物事を語ろうとすると、必ず誤解が生じます。

そのような訓練をしていない人が論文を書いてたり批評してたりするものですから、誤解が世の中に垂れ流されてしまいます。

「馬鹿がバカの書いたものを広める」という、非常に残念な状況になっています。

「この世に絶対的に正しい答えはない」というのは真実だと思いますが、「自分にとって正しい答え」はあると思っています。そしてそれは、自分自身で作り上げるものであるはずです。

あなた以上にあなたのことをよく知っている人はいませんよね?
あなたの両親や恋人よりも、医者や有名な論文や数字なんかよりも、あなたのほうがあなた自身ことをよく知っているはずです。

私はそのように考えていますので、「数字(論理)」を大事にする以上に、自分の「感覚」とか「感性」とか・・・、そういう非合理的なものを重視しています。

そうやって闘病生活を送ってきましたし、それが結果に現れていると確信しています。

「数字(論理)」はすごい重要です。しかしそれよりも重要なのは、あなたの「感性」「感覚」です。

そうしないと、いつの間にか数字(論理)の奴隷になってしまいます・・・。

「感覚」という一見あやふやなものを大切にして下さい。
そのほうが「あなたにとっての正しい答え」が見つかるでしょう。

第5章・6章:プラント・プログラム - 食事・生活スタイル編

ガン克服のための食事・生活スタイル

「牛乳・乳製品は、乳がんや前立腺がんのリスク要因である」と論じたうえで、著者は自身が実行したことを体系化したものを「プラント・プログラム」とし、2章にわたって「食事編」「生活スタイル編」として述べられています。

この2章が1番ページを割いて解説されているところをみると、著者は「ガンを克服するためには、生活習慣や環境の改善が大事である」と考えているのがよく分かります。(※「環境」については最終章で触れています)

ただ、「プログラム」と書かれていますけど、具体的な「メニュー」や「手順」が解説されているわけではなく、「あの食材はいい」「あれはダメだ」みたいな知識・理論に終始しているところが章名とズレている感じがして、それが少し残念なところですかね・・・。

私の個人的な意見としては、知識や理論に終始したほうが「あとは自分のスタイルに合わせて応用していけばいい」と思っているので特に不満はないのですが、もっと具体的なもの・・・、例えば「朝食の献立」や「レシピ」「○時に△を食べる」「○○○のサプリメントを、1日■錠飲む」みたいなことを期待されてた方は、きっと満足しないでしょう。

著者直伝の「ガン克服プログラム」を実践する目的で本書を買うなら、その点を意識して下さい。知識を吸収しても、それを自分の生活に当てはめて実践できなければ意味がないです。

また、著者のプログラムを厳格に実践できなかったからといって、乳がんや前立腺がんが治らないわけではありません。

ガンの原因は、(喫煙も含めると)約50%が「口から入るものに由来する」ことが分かっていますが、「口から入るもの」が色々あり過ぎて、なにが正解なのかはよく分からないんですね・・・。

体質も人によって違いますし、著者に効果があったものが、必ずしもあなたに効果があるとは限りません。

ただ、著者なりの根拠を持ってプラント・プログラムを推奨されていますし、著者以外にも世界中の人が結果を出されているプログラムです。

私はまだ再発したことはないのですが、様々な闘病記や書籍を拝見すると、ガンというのは1度再発すると、それを治療してもかなりの確率で再々発してきます。それにともなって5年生存率もガクンと下がります。

標準治療の方針に従えば、そこからは「手術の繰り返し」「薬をとっかえひっかえ」の厳しい戦いが始まるのですが、著者の場合は4回再発してますからね・・・。完全にそのパターンにハマってしまっています。

私が知る限り、そのパターンにハマってしまった人のなかで、「完治した人」や「完治しないまでも、適度な抗がん剤や放射線治療でガンと共存しながら寿命を迎えられた人」は、限りなく少ないです。

これは別に「抗がん剤や放射線治療が効かない」ということではなく、治療に対するメリットとデメリットのバランスをとるのが限りなく難しいからです。

同じ性別、同じ年代、同じような体格・・・。
血液データもほとんど同じなんだけど、いざ治療を行ってみると、人によって全く反応が違う・・・。ここにがん治療の難しさがあるのです。

著者はその地獄のパターンから生還した人です。
しかも科学者ですから、きちんと「原因」と「結果」を分析できるはずです。

その彼女が実践し、実際に結果を出し、そして体系化された方法を(やるかやらないかは別として)参考にしない手はないでしょう。

一般人が実践するのは、かなり大変・・・。

ただ、実際に読んでみると分かりますが、これは一般人が実践するのはかなり大変です。(苦笑)ゲルソン療法並みに厳しい食事療法となっています。

内容が濃くて全てを紹介できませんが、おおざっぱに言えば牛乳・乳製品は禁止です。
「乳がんの原因は牛乳と乳製品である」と言ってるわけですから当たり前かもしれませんが、乳製品を禁止にされたら、食べられるものがほとんどなくなりますよね。(^^;

皆さんの身近にある食べ物でなんでもいいんですが、「原材料」を見て「乳」がついていたら全部アウトです。こんなん無理ですよね。(^^;

しかし、彼女はやったんです。
まぁ、「やったから乳がんが治った」かはまた別の話なのですが、上記に挙げたような科学的根拠等を考慮に入れると、「牛乳や乳製品が、乳がんや前立腺がんのリスクを上げる」ことは、ほぼ間違いないんじゃないかと私は思います。

こういうのは「とにかく続けること」が大事なので、自分が出来る範囲でこれらの摂取量を減らせばよいと思います。

牛乳・乳製品以外に、彼女が鬼気迫る勢いで「避けていたもの」とは

そのほかにもいろいろ書かれていますが、簡単にまとめると、「出来るだけ化学物質に汚染されていないものを食べるようにし、環境中の有害物質を避ける」などと、地球化学者らしいことを主張しています。

みなさんは、化学物質を扱う研究室で長期間に渡って仕事をしている私が、日常生活で化学物質を懸命に避けようとしていることを奇妙に思うかもしれない。

けれども、私は、研究者だからこそ、化学物質が生物に与える影響をよく知っている。だから、曝露を避けるために最大限の努力を払うのだ。

(出典:ジェイン・プラント、佐藤章夫訳『乳がんと牛乳』径書房、2008.10.3発行、262頁より引用)

読んでみると分かりますが、彼女は人工の化学物質を鬼気迫るような勢いで避けています。

化粧品、石鹸、香水、シャンプー、車の排気ガス、農薬や添加物、衣服の素材などなど・・・。挙げたらキリがないですが、相当気を使っているようです。

特に「内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の危険性」を訴えています。
内分泌かく乱物質(環境ホルモン)と一口に言っても様々な種類があり、毒性の有無や大小など、よく分かっていないものも多いのですが、これらは「体内のホルモンバランスをかく乱する」らしいんですね。

ホルモンは神経系の命令を受けて分泌され、「細胞の機能を強めたり、抑えたりするもの」です。ですから、これらのバランスが崩れると細胞のあらゆる機能が狂ってしまいます。

このような状態が続くと、臓器の異常が起こって糖尿病になったり、細胞のガン化が促進したりするのです。

牛乳も女性ホルモンなどが大量に含まれているので、ある意味では「内分泌かく乱物質」と言えます。

過剰な性ホルモンや成長ホルモンが体内に入った結果、ホルモンバランスが崩れて体内の制御機構が狂い、乳がんや前立腺がんを発症する・・・。ということなのかもしれません。

プラント・プログラムの欠点

ただ、私たちは化学物質から恩恵を受けているのも事実であり、今さら化学物質を全てシャットアウトした生活は、なかなか出来ないでしょう。

たとえ添加物や農薬を完全に排除出来たとしても、それだけでガンが防げるとは思えません。

同様に、乳製品を完全に排除したとしても、ガンのリスクは下がるかもしれませんが、それがどれほどのリスク低減効果があるのかは、まだよく分かっていないのです。

つまり、牛乳や乳製品を摂取するメリットも確実にあるのに、「メリットとデメリットをきちんと比較したうえで、摂取を禁止したほうがいいのかどうか」という議論はほとんど行われていないし、結論も出ていないのです。

センター試験で数学ばっか勉強しても、大学には受かりません。
全ての科目でバランスよく得点する必要があります。数学を100点取る必要は全くないですし、ある科目で合格点をあげることが難しければ、ほかで補えばよいのです。

プラント・プログラムの欠点は、バランスが悪いところです。
「食事」と「化学物質の除去」の2科目しか、合格点がとれていません。これではFラン大学は突破できても、難関大は無理でしょう。

個人的には「食生活」よりも「運動習慣」「ストレスの対処法」のほうが重要だと考えていますが、これらに対する記述が(食生活に比べて)かなり少ないのは評価できません。(運動に関しては皆無です)

がん患者の抱えるストレスについて、意外と見落としがちな点

がん患者の抱えるストレス

ただ、ストレスの対処法のところで人間関係、特に家族との関係に触れているところは評価できます。

評価できますが、「具体的にどうすればいいのか?」という記述が、正直物足りないです。

本を読めば、著者は自立心が強く、自己責任の強い女性だということはよく分かりますが、そういう人間ばかりではありません。

特にがん患者は強いショックを受けていますから、「自分で何とかしよう」というのは結構難しいのです。

患者の精神的ストレスを和らげるためには、周りの協力が絶対に必要です。
特に「患者にとって、1番近い存在の人」の協力が不可欠です。

であるならば、「具体的にどうすればいいのか」という記述は、患者の家族自身に向けて書かれるべきなのですが、そうなっていません。

著者の視点で「娘が自分のせいで荒れた」とか「旦那が精神的に支えてくれなかったのが不満だったが、実は治療中の私が不憫過ぎて、どう接すればいいのか分からなかっただけだった」としか書かれていません。

そうではなく、「娘に言われたこんな一言が、私を救ってくれた」とか、旦那の証言を載せて「私は妻と接するとき、こういうことに気をつけたんだ。そうすると取り乱すことが少なくなったよ」みたいな体験談のほうが参考になるでしょう。

つまり、「周囲の人の視点がほとんどない」という意味で、著書の「ストレスに対処する」という項目は、残念ながらほとんど参考になりません。

「ストレス」はかなり奥が深いテーマなので、簡単に論ずることが出来ないのです。

ということで、あなたの家族や大切な人がガンになった場合、
「周りの人がどう接すれば治療にプラスになり、患者を前向きにさせることができるか」を紹介します。

これはガンに限らず、重い病気を患ってしまったときや、大きなショックを受けて落ち込んでいる時にも使える考え方なので、少しでも参考になれば幸いです。

がんに打ち克つ人は、「家族力」が違う

家族力

これまで色々ながん患者を見てきましたが、「家族全員でがんと立ち向かっている」という意識を持っている家庭では、良好な経過を辿ることが多いです。

「家族全員でがんと立ち向かっている」なんて、当たり前じゃないですか・・・。」

と、思っている家族の方もいらっしゃるでしょうが、私からみると「壁」があります。
私の表現力が乏しすぎて上手く伝わらないかもしれませんが、(苦笑)「手厚く面倒を見る」こととはちょっと違うんです。

例えば「あなたはがん患者だからこのようにする・・。」「私は健常者だからこのようにする・・。」みたいに、別の世界の人間が同じ屋根の下で暮らしているような感じではダメなんです。

そうじゃなくて、「家族全員が、まるで同じ病気に罹っているかのように当事者意識を持ち、同じ目標に向かって共に歩く」ような感じです。

分かりますかね? 「サポートする」とは少しニュアンスが違うということを・・・。

言葉をかけると、たいがい失敗する。

重い病気を患った人は、そのショックゆえに周りの人との間に「心の壁」を作ってしまいがちです。

私も大腸がんが発覚した時は、誰にも言わず、連絡もとらないようになってました・・・。

しかし、そのような厳しい状況のなかでも(症状が重い軽いに関わらず)普段とあまり変わらない様子で淡々と生活している人もいます。

そういう人は「非常にハートが強く、悟ってしまったお方」であるか、「人間関係が良好な方」です。

欧米人の場合は、はっきり言葉で示さないと伝わらないので「言葉をかけてあげる」ほうがいいでしょうが、日本人の場合は言葉をかけても「その言葉の裏に隠されている意図は何か?」みたいに「空気」を読もうとする民族です。(笑)言葉をかけても、言葉通りに伝わらないのです。

ですから、言葉をかけるとたいがい失敗します。
よっぽど心を揺さぶる言葉なら別ですが、「空気を読む文化」が根付いているので、言葉をかけるのがそもそも下手くそなんですね。

日本人は、「言葉」より「態度」が伝わります・・・。

例えばですが、がん患者が食事療法を実践しているなら、家族全員がその食事内容に切り替えてください。そうしないと・・・、

がん患者:「俺だけいつも違うメニュー・・・。やっぱり仲間はずれなんだな・・・。」

っていう気持ちが必ず出てくるのです。
治療中なので食事制限があるのは仕方のないことなのですが、人はそう簡単に割り切れないものなんです。

重病であればあるほど冷静な判断が出来ませんので、勝手にそう思い込んで勝手に孤独になっていきます。

手厚く看護してても、残念ながらそうなることが多いのです。

がんとの闘いは長期間続きますから、そういう思いはいつしかイライラに変わり、ちょっとした些細なことで爆発します。

周りの人は「訳分からんことで、いきなりキレやがった(´・ω・`)?」
みたいに困惑するでしょうが、実は以前から積もり積もった感情があるのです。

そういう争いがチラホラ起こってくると、周りも疲れて(同情しつつも)距離を置きがちになります・・・。その様子を見て、ガンの当事者は・・・。

がん患者:「あぁ・・・。やっぱり俺は一人なんだ。誰も俺の気持ちなんか分からないんだ」

となり、本当に孤立していくという悪循環にハマるのです。

医療がチームで行われるように、患者側もチームを組んで病気と闘うべき

俺たちは、チームだ

このような悪循環を防ぐためには、

あなたは一人じゃない・・・。みんなから守られているし、みんなもあなたを必要としている。今回もいつものように、みんなで闘おう!

ってことを、「言う」のではなく、思ってもらう必要があるのです。

言葉で伝えても「裏の意図」を読み取ろうとする日本人には伝わりません。
あなたや、あなた方の態度を見せ付ける必要があります。「俺らはあんたと一緒に戦う準備は出来てるぜ!(`・ω・´)キリッ」という態度を見せ付け、そのように思ってもらうのです。

家族全員が「その思い」を共有する必要があります。
理想を言えば、本人の親友や職場の同僚や上司、部下にも「その思い」が共有できれば、かなり優秀なチームになるでしょう。

医療はチームで行われますが、患者側もチームを組むべきです。
患者だけではなく、「チーム全員が参加して治療方針などを決める」べきでしょう。

すっげー家族の例

書籍名を忘れてしまったのですが、その本にはがんを克服した体験談がいくつか載っていました。そのなかで、強烈に印象に残っている家族の話があったので紹介したいと思います。

家族の大黒柱が、余命1年の末期がんを宣告されました。

確か子供が4人くらいいて、全員自立していてそれぞれ家庭を持っていたと思うのですが、父親がガンだと分かった途端、「大丈夫、絶対助かるから、これからみんなで頑張ろう!」と団結するのです。そして、それぞれが父のガンのことを書籍やインターネットで調べまくるのです。

それぞれが家庭を持っていますから、ほとんど集まることは出来ません。
しかし、そこはネットの力を駆使してスカイプなどで決まった時間に会議を行うのです。

そこでそれぞれが調べ上げたことを発表しあい、皆で議論をし始めます・・・。

長男:「この治療法がいいんじゃないか?」

次男:「いや、こちらの病院のサイトによると、これのほうが体の負担が少ないらしい」

長女:「この健康食品とか効きそうじゃない?」

次女:「いや、これ絶対怪しいって・・・。えびでんすってのが重要らしいよ」

母:「今日病院に行ってきたんだけど、お医者さんにこういうこと言われたんだけど・・・。」

父:「もうお酒は飲んだらダメなのか? 少しもか!?(´・ω・`)」

当事者が一番自覚がないのが問題ですが、(苦笑)こういう会議が定期的に行われるそうです。
確か、長男か次男がIT関連のベンチャーに就職していたので、「こういう感じで定期的に話し合おう」と決めたようです。

実家にはパソコンがなかったので、休みの日に帰って購入したばかりのパソコンを設定し、両親にスカイプの使い方を教えるという徹底ぶりです。(ちなみに、私はスカイプの使い方がまだイマイチよく分かりません)

診察のときは父親を一人で行かせず、必ず2人以上で付き添います。
本では「みんなで闘うんだ!」という意識を保つためにやったことだと書かれていましたが、こうすることで「主治医の話の聞き間違いや、洩れを少なくする」という効果もあったと思います。

大体の担当が決まっているらしく、男性陣が主に治療方針を相談しあい、女性陣が食事や健康食品選びを相談してました。特に長女は顔が広いらしく、色んな情報を集めてきては、それについてみんなで議論してました。

こうやって「みんなで協力しあう」ようにすれば、怪しい情報が入ってもそれに引っ掛かりづらくなります。

この家族が素晴らしいのは、「全員が参加したこと」です。これが「態度で示す」ということです。

周りのそのような「態度」のおかげで、患者本人が「自分ひとりだけじゃない、みんなの力を合わせて一緒に闘っている」という実感を持つことが出来ます。

孤独感が解消され、周りのそのような態度が伝わることで、落ち込みがちだった患者も治療に前向きになります。なんというか、「守られてる感」があるのだと思います。だからとても心強いのです。

患者のほうも「お前らがそこまでしてくれるんなら・・・。」って気になるのでしょう。
どんな名医やセラピストでも出来ないことだと思います。

このお父さんのその後ですが、主治医の余命宣告を裏切るどころか、あちこちに転移していた腫瘍が全て消え去り、数年後には「完治しました」というお墨付きをもらいました。

私は「治るべくして治った」と思います。

人間関係を甘くみてはいけません。
これは確実に生死を左右するほどのインパクトがあります。

大切な人が重い病気にかかってしまい、どう接したらよいのか分からない・・・。

というような方は少なからずいると思いますが、この話が少しでも参考になれば幸いです。

第7章:東洋の目で西洋を眺める

地球環境

最終章は少し趣向が違っていて、著者の専門である地球化学に関する話が出てきます。

私は地球化学や環境に関しては全く勉強していないので、この章が1番「学び」があったし「衝撃」を受けた章でもありました。

著者はまず、「資源を過剰に消費するような人間の活動が、地球の自己浄化能力・生命維持システムを大幅に超えてしまっていて、1995年の段階で既に持続可能性が乏しいほどに地球環境の劣化が進んでいる」ことを述べています。

これは主に西洋の「大量生産・大量消費社会」が原因であり、今はまだ先進諸国内での影響に留まっているが、これから途上国が発展し、人口が増え、西洋文明が世界的に広まった時が非常に怖い・・・。「これまでにないスピードで環境破壊が進むだろう」と、推測しています。

原著が書かれたのが2000年なので、著者が何年先の未来を想定して書かれたのかは知りませんが、20年も経たないうちにその通りになってきてますよね・・・。

その頃はまだ中国が台頭してきてなかったのですが、台頭してきた途端、凄まじい勢いで環境破壊が進みました。

次はインドが高度成長してくるでしょう。
中国はもうそろそろオワコンなので、資本がインドやベトナムなど、東南アジアに移動し始めています。

ということで、次はそちらの地域が汚れていきます。その次は南米、その次はアフリカあたりでしょう。

今、世界で起こっていることは、強い国達が・・・。

あなた方は貧困で大変ですよね・・・。私達が技術支援して、みなさんの生活レベルを上げましょう

という名目で、その土地の資源を食い尽くすことをやっています。

一部の地域ではそのおかげで経済が発展しますが、それはあくまで「一部」であり、ビジネス的に魅力のない地域・投資する価値のない地域との格差はどんどん広がっていきます。

さらに悪いのは、それらの国が入った地域が、欧米的な価値観に染まってしまうことです。
「その土地独特のなにか」どんどんなくなっていくのです。

私は沖縄生まれの沖縄育ちですが、沖縄の代表的な食べ物はもちろんたくさんあります。
しかし、これからは「名物」がなくなる時代になります。

もっとグローバル化(均一化)が進めば、沖縄に行ってもイタリアに行っても同じ料理しかでてこなくなります。

分かりやすいようにわざと極端なことを言っていますが、グローバル化というのはそういうことです。マクドナルドか、超高級料理かのどちらかになります。

「グローバル化(均一化)」と書きましたが、実際に起こるのは格差の増大です。
超金持ちと貧乏の二極化の時代になります。

では、何が均一化するのかというと、「思想・価値観の均一化」です。
つまり、西洋的価値観に全世界が染まるということです。経済は二極化するけども、思想や価値観がみんな似てくるのです。

著者によると、西洋的価値観は環境破壊に直結しているそうです。
このような価値観が全世界に広がり、同時多発的に環境破壊が進めば「地球が持たないのではないか」と危惧しているようです。

「領土は広けりゃ広いほどいい」という西洋的価値観を早急に見直すべきだし、そうすることによって現在起こっている様々な「歪み」も解消に向かっていくのではないか・・・。という主張で本書を結んでいます。

「歪み」を、1つ1つ取り除いていく

著者の仰るとおり、西洋的価値観からくる「歪み」は確かにあるでしょう。
本書のテーマでもある「乳がん」や「食の行き過ぎた工業化」もそうでしょうし、資本主義の成れの果てである「リーマンショック」や「TPP」もそうです。さらには「民族問題」や「宗教問題」も関係してくるかもしれません。

「これらの問題の根底にあるのが、全て西洋的価値観にあるのか?」についてはさらなる検討が必要でしょうし、「西洋的価値観とは何か?」についても掘り下げる必要がありますが、著者の推察は大きく外してはいないと思います。

私が思うに、なんらかの問題や争いごとが起きるときは、「ある価値観が、もう一方の価値観を滅ぼそうとするとき」なんじゃないかと思います。

お互いがお互いの価値観を尊重し、バランスをとっていれば平和なんでしょうが、一方の価値観を攻撃し始めたときから「歪み」が生じるのではないでしょうか。

世界は「善意」で動いてはいませんし、この「世界レベルの歪み」を取り去ることはなかなかに難しいでしょう。

しかし、個人個人のレベルで「歪み」を取り除いていくことは可能だと思います。
体内で起こっている「歪み」を取り除くことで健康になれるし、考え方の「歪み」を修正していくことで、今まで理解できなかった人との理解も深まります。

この「歪みを取り除く」という作業は、この記事で私が一貫して述べている「複数の視点を持つ」ことなしには出来ません。

結局のところ、これが人生を豊かにする秘訣なのではないでしょうか。

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コメント

  1. かな より:

    ご丁寧にありがとうございます。
    実は昨日の時点で、ダグラスのUPXとタイムリリース鉄を注文しました。

    本当なら、サプリに頼らないで済むのが一番いいのですが(情報収集の手間が省けるので)、私がとにかく少食なので、あまり食べられず、レバーは苦手だし、この間は貧血を起こしたしで、鉄分のサプリを摂るよう勧められたのです。
    (多分、たんぱく質も足りてないかと思うので、プロテインパウダーも必要かなと思うのですが、た、高い・・・汗)

    医師が処方するサプリは通院の手間と金銭的な事情から続けられないだろうし、結局、「誰でも買える」ものに手を出すしかないんですよね。
    といっても、医師が処方するサプリ(MSS)も、品質はいいのかもしれませんが、マルチなど怪しい情報がありますし。
    結局、なるべく信頼できると思うものを探して、自分の体で試すしか・・・。

    今回は新里様が信じていらっしゃるものを否定するような内容で、不快にさせてしまったかもしれませんが、ご丁寧に返信してくださって、本当にありがとうございました。
    私も自分の不調と向き合い、色々と試して頑張ってみます。

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