沖縄は「食の欧米化」どころか、栄養欠乏状態だった!

まず、沖縄県保険医療福祉財団事業団さんのページによると、沖縄県民のエネルギー摂取量は全国平均より低いのに、肥満率は男女とも都道府県で1位であり、その理由は「脂肪エネルギー比率が30%以上を超えていて、全国平均より10%も高い」ことを理由に挙げています。

全国平均と比較する時点で「あっ、統計のお勉強がまだ進んでないんだね(´・ω・`)」ってことが分かってしまって残念な気持ちになるのですが、沖縄の生活習慣病罹患者の増大原因を調べるのに、いきなり他県と比較することがそもそも間違っているんですね。

正しい手順としては、まず以前の沖縄のデータと比較します。そのうえで変化率の高い要素をいくつかピックアップして更なる検証作業に入るのですが、調べる前から「脂肪エネルギー比率が高いことが、生活習慣病の原因ではない」ことが大体予想できていました。

沖縄県民の脂肪酸摂取比率

というのも、沖縄県保険医療福祉財団事業団さん自身が提供しているデータによると、沖縄の男性と女性を比較した場合、女性のほうが脂肪エネルギー比率が高いことが分かります。

仮に脂肪エネルギー比率が生活習慣病の原因だとすると、(男性より先に)女性の平均寿命の地位から下落していかないと理屈に合いません。それどころか、依然として3位の地位を保っているところをみると、「これは違うな」と、容易に想像がつくわけです。

それに、一般的には男性よりも女性のほうが(人種関係なく)脂肪エネルギー比率は高いです。
しかし、生活習慣病患者数が多いのは男性です。これは沖縄だけの話ではなく、全国的にみてもそうですし、世界の国々をみてもその傾向があります。

もちろん「摂り過ぎ」はまずいでしょうが、少なくても日本においては脂肪の摂り過ぎと生活習慣病の関連性はほとんどなく、「過剰に反応し過ぎ」だと思います。

それどころか、以下のデータを見ていただければ「いかに沖縄の現状に対する認識が間違っているか」がよく分かると思います。

沖縄県民の栄養摂取量の年次推移と全国平均との比較

出典:県民健康・栄養調査の現状 - 平成23年度沖縄県民県民健康・栄養成績表第1部 栄養素等摂取状況調査63頁

沖縄県福祉保健部が調査した、平成25年度の「県民健康・栄養調査の現状」によると、脂肪のエネルギー比率は、男女とも世界一の平均寿命を誇っていた時代から、ほとんど変わっていないことが分かります。むしろ、年々比率が減少していってます。(※実際には平成23年度のデータですが、これが最新のデータとなります)

そしてこれがびっくりなんですが、ほとんどの栄養摂取量が、統計を取り始めた昭和47年代と比べて下回っています。

昭和47年と言えば、「沖縄が返還された年」ですよ。

沖縄の食の欧米化に対する疑問

って、私は言いたいです。高脂肪&高カロリーな食事のことを「欧米化している」と言うのなら、沖縄の食事情はむしろ逆の方向に進んでいます。

これは沖縄だけに見られる状況ではありません。沖縄が数年先をいっていますが、これは全国的に見られる傾向です。以下は前回の記事でも示したデータです。

日本人の一日の栄養摂取量の年間推移表

上で見てきたように、沖縄県民が男女とも肥満傾向にあるのは間違いありませんが、データから判断すれば、どちらかというと栄養欠乏状態に向かっているのです。

エネルギー摂取量(kcal)1678kcalという数字は、終戦直後の「飢餓状態」だった1903kcal(1946年)よりも下回っています。これは本当に恐ろしいことです。「よく平均寿命が下がらなかったな・・・。」と思います。

しかし、もっと恐ろしいと感じるのは、テレビも、新聞も、そして沖縄の医師会も、「沖縄の長寿崩壊原因は、高脂肪食にある」とミスリードしている点です。(※【追記】沖縄の医師会のほうは、リンク消しやがった)

これらのデータは、沖縄県庁の下部機関から出されているものですから、「1次ソース」と言ってもいいものです。ですから、これらのソースを基にして医師会や行政などの権威ある機関が指針とか提言を出すはずなのですが、どー考えても、

「沖縄の長寿崩壊原因は、高脂肪食にあります(`・ω・´)キリッ」

このような結論にはならないんですよね・・・。

私が全く関係のないデータを参照しているのか、またはデータの解釈がおかしい可能性もありますが、(笑)単に数字をつぶさに見ていくだけですから間違いようがないと思うんですよね・・・。

確かに肥満は原因の1つでしょうが、「では、肥満の原因は何か?」と考えたとき、ほぼ全ての栄養素の摂取量が年々減ってきている現状を見ると、「食の欧米化」とか「高カロリー・高脂肪食」が関係なさそうだということは、容易に想像出来るでしょう。

むしろ、脂肪摂取量が減っているから若い世代の生活習慣病患者の増加や短命化が進んでいる可能性だってあるというのに、「高カロリー・高脂肪食が悪の根源だ(`・ω・´)キリッ」と安易に結論づけられてしまうと真逆の対策がとられかねません。(メタボ対策とか・・・、)

「いや、欧米型の食事には油(脂肪)とタンパク質とカロリー以外の栄養素はほとんど入っていないだろうから、県民はぶくぶく太るだけで栄養欠乏になっているんじゃないの?(´・_・`)」

という反論がありそうですが、だったら脂質摂取量とタンパク質摂取量は毎年増えていっているはずです。しかし、実際は平成5年度から減り続けています。

私も思い描いていた印象と真逆だったのでとても驚いたのですが、「食べ過ぎ」どころか、「食が細くなってきている」のが沖縄県民の現状なのです。

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