低栄養状態の母親の増加が、次世代の健康に深刻な影響を及ぼす

いきなり結論から言いますと、生活習慣病の2つ目の原因は、「低栄養状態の母親の増加」です。

生活習慣病は「生活習慣が原因で罹る病気」なので様々な原因が考えられるのですが、個人的には「これが一番有力な説なんじゃないか?」と思っています。

日本は、次世代の健康を考えると極めて危険な国である。極端に言えば、50年後に日本は消えてしまうんじゃないか?その危険すらある

このような大胆なことを言っている人は、「生活習慣病胎児期発症説(胎児プログラミング説)」という斬新な説を唱えている海外の専門家です。

この説のおかげで、「日本人の飢餓状態が年々酷くなっていっているのに、何故かメタボや生活習慣病を患う方が増えている理由」が、全て説明つきました。(あくまで「私のなかで」ですが・・・。苦笑)

「世の中が便利になり過ぎて体を動かす必要がなくなった」というのも理由のひとつでしょうが、こちらのほうが理由としては強いと思います。

どんな説かというと、

生活習慣病の素因は、「受精時から妊娠、出産が終わって3ヶ月くらいの時期」までに作られる。そして実際に生活習慣病が発症するかどうかは、その後の生活習慣によって決まる。

簡単に言えばこういうことなのですが、これは「あ、その後の生活習慣によって防げるんなら大丈夫だね!めでたし、めでたし(^ー^)」という話では全くありません。この説には続きがあります。

そして、いったん作られた生活習慣病の素因は、60歳以降になっても消えることはない。つまりその子供は、「一生背負わなきゃいけないハンディー」を抱えることになる・・・。

これを知って心配にならないお母さんはいらっしゃらないだろうと思います。
私は結婚もしていないし子供もいないので、もしかしたら産婦人科で似たような説明を受けているのかもしれませんが、これは生活習慣病だけの話ではないので、結婚予定の女性や子供を作る予定の女性のかたもこの記事を読んでいらっしゃるかもしれないので、私がわかる範囲で説明したいと思います。

因みにこの説は、「こういうこともあるかもよ~、 m9(`・ω・´)」みたいな、(苦笑)検証も何もされていないトンデモ説ではなく、国際的に認められている説です。

2005年には栄養学分野でのノーベル賞と言われているダノン賞を受賞し、今や「21世紀最大の学説である」と認められるにまで至っています。ですので、「まず、間違いない学説」と思っていいと思います。

あまり難しい話をしてもあれなので、具体的なメカニズムの話は置いといて、要点だけを簡潔に述べます。まず・・・、

「低栄養状態の女性」が妊娠し、栄養状態が改善されないまま出産を迎えると、生まれてくる子供は低体重出生児になる確率が高くなる

ということが分かっています。

少し補足すると、低栄養状態だけでなく過栄養状態でもまずいのですが、どちらのリスクが高いのかと言えば、低栄養状態の妊婦の方が圧倒的に高いそうです。

また、「痩せている女性」 = 「低栄養状態の女性」というわけではありません。

しっかりご飯を食べて、適度に運動もしているおかげでスリムな体型を維持している方もいらっしゃいます。

このような方は低栄養状態ではないでしょうから、低体重出生児が生まれてくる確率は低いでしょう。極端なダイエットをしている方はアウトだと思います。

また、長年の疫学調査の結果、出生体重と「関連性が認められた」、あるいは「関連性がある可能性がある」ことが明らかになった疾患が、下の図のようになっています。

低出生体重との関連が明確な疾患、あるいは関連が想定されている疾患

赤文字の疾患は、今日本で急激に患者が増えているものです。後から気づいたんですが、「高血圧」「Ⅱ型糖尿病」も同様に増えているので赤字にすべきでした・・・。

高血圧に関しては、遺伝的要素が大きいと言われている本態性高血圧を患っている小学生や、インスリンを打っている小学生も増えています。

小学生からインスリンを打つようなひどい糖尿病だったら、遺伝的要素が強いⅠ型糖尿病でしょうが、最近の傾向としては、両親に糖尿病などの遺伝的要素がないのにⅠ型糖尿病になる患者(子供)が増えているそうです。本態性高血圧に関しても、同じようなことが起こっているようです。

何故このような事態が起きているのかは明確になっていないようですが、私は「生活習慣病胎児期発症説(胎児プログラミング説)で全て説明出来るんじゃないか?」と思っています。

海外の専門家は、「低体重出生児が生まれてくる原因は、女性の強い痩せ願望にある。特に日本の女性はその傾向が強いので、次世代の健康状態が非常に危惧される」と、はっきり言い切っています。

以下のデータが、「専門家の話の信憑性の高さ」を物語っています。
これは、妊娠適齢期にある日本の女性のエネルギー摂取量の推移を示した表です。

女性の栄養摂取量の推移

これは本当にひどいです。終戦直後のカロリー摂取量(1903kcal)よりはるかに低い数値です。このような劣悪な胎内環境で育てられる胎児が可哀想です。

極端なダイエットに走っている女性は、これから生まれてくる自分の子供に足枷をはめていることに気づいていないと思います。私は女性が妊娠したときに、産婦人科で「おそらくこんな話をしているんじゃないか?」と思うのですが、上のデータを見てみると、とても指導が徹底しているとは思えません。妊婦もそうですが、産婦人科医の認識が甘過ぎるのが致命的だと思います。

残念なことに、この学説は国際的にはメジャーであるにも関わらず、日本ではほとんど知られていません。産婦人科医の認識が甘過ぎるのも頷けます。

日本では福岡秀興さんがこの分野に精通していて、「妊娠適齢期の女性の栄養管理の大切さ」を必死に訴えているようですが、福岡さんの指摘が全国の産婦人科に反映されているのかどうかは分かりません。

そして、低栄養状態の女性が増えてきたことと呼応するように、低体重出生児も増加してきています。

OECD加盟国に於ける低出生体重児の割合

これを見ると、これから日本を支えていく次世代の子供の10人に1人は、「能力的に劣った未熟な人間」が生まれてくることになります。

もちろん低体重出生児だからと言って、必ずしも上に書いたような遺伝的素因を抱えるわけではありませんが、健常児と比べてリスクは数倍に跳ね上がります。例えば、メタボになる確率は17倍くらい違うと言われています。

私は「事の深刻さ」を実感してもらう為に、批判を覚悟で敢えて「能力的に劣った未熟な人間」という差別的な言葉を使いました。

「痩せたい気持ち」は分かりますが、それなら極端な食事制限に走らず、食事をきっちり摂ったうえで、適度な運動をしてしっかり汗を流せばいいのです。

生活習慣病胎児期発症説(胎児プログラミング説)に詳しい海外の専門家は、日本のこの燦々たる状況を見て非常に怒っています。

日本は発展途上国を支援する必要はない。代わりにあなた達の国民(女性)に食糧を支援しなさい・・・。

すげぇ皮肉です。(^^;世界一食糧を輸入し、世界の飢餓状態にある子供達を全て救うことが出来るほどの食糧を毎年破棄している国に対して、「食糧を支援しなさい」と言ってるわけですから・・・。

「これくらい言ってやらんと、大人しい彼ら(日本人)は問題を認識しないだろう」という、彼らなりの愛のこもった警告だと私は好意的に受け止めています。この警告を活かすかどうかは私達次第でしょう。

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