ガン(腫瘍)に対して、獲得免疫だけで対応するのは困難?

最近、「手術」「放射線」「抗がん剤」に次ぐ第4の治療法として注目されているのが免疫療法です。

ほかの3つに比べて副作用が著しく少なく、私も注目している治療法の一つですが、着々と成果を上げているものの、まだまだ研究者や患者の満足のいく段階には至っていないのは、ガン(腫瘍)に対して、獲得免疫だけで対応しているからだと思うんです。

免疫療法のメカニズム(作用機序)は、患者の免疫細胞を取り出して、ビーカーや試験管の中とかで培養して増やし、がんに打ち克つように鍛えなおした免疫細胞を、再度体内に投入して腫瘍抑制効果を得ようというものですが、以前の記事でも書いたようにがん細胞が変異する可能性も否定出来ないし、自分の細胞とはいえ、過剰に増やした免疫細胞を体に戻すと、なんらかの副作用があるようです。

参考

抗がん剤治療は(状況にもよるが)やはり微妙だと思う
抗がん剤治療に関する私の考えを、率直に述べます。「延命効果がある」という医学的根拠はありますが、何をもって延命と呼ぶのか考えたことはありますか?「延命の定義」というものが、医療従事者と私達一般人がイメージするものと違う可能性を考えなければいけないと思います。

また、がん細胞は、元々正常細胞から生まれたものですから、「正常細胞との見分けがつきにくい」のです。

腫瘍は、通常長い年月をかけてゆっくり成長します。数年ほどかけて、やっと腫瘍(塊)と言える段階になります。

がんになる理由(「塊」になるまで成長する理由)は大まかに言って2つです。
1つは、「免疫力の衰えによるがん細胞の増殖」です。これはすぐに理解できると思います。年をとるにつれて免疫力は衰えてきますから、高齢者ほどガンになりやすいのです。(オレっていったい・・・。(´;ω;`) )

問題は2つ目です。「免疫の無効化によるがん細胞の増殖」です。
悪性度の強いガンの典型的な特徴なのですが、がん細胞が体内の免疫機構に何らかの働きかけを行い、免疫機構が「それ」を異物とみなさなくなってしまうのです。それによって体内の免疫細胞は、がん細胞に対して全く攻撃しなくなります。

「若いがん患者は、ガンの増殖スピードが早く、あっというまに転移することが多い」とよく言われますが、その謎が分かった気がしないでしょうか?

若いから免疫力も体力もあるはずなのに、簡単にガンの勢いに圧倒されてしまう理由は、「ガンに対して免疫が働いていない」からです。免疫力の強さや弱さとかは関係なくて、免疫機構をすり抜けてがん細胞が増殖しているのです。

そのようながん細胞は、免疫細胞による干渉を受けませんから、あっという間に増殖&転移します。ほんとにタチが悪いです・・・。(*_*) 免疫を獲得する以前の問題なんです。

免疫を獲得するには、その前段階として、まず異物を「認識」出来なければなりません。
それが免疫反応では1番初めのステップであり、最重要のステップです。

そもそも免疫反応とは、まず「自己」と「非自己」を区別(認識)し、「非自己」を叩くことです。【第一段階】

そして「非自己」をもっと効率的に叩く為に工夫しようする段階(攻略法を確立しようとする段階)が「免疫を獲得する」ということです。【第二段階】

免疫反応では必ずそのステップを踏みます。
つまり、必ず第一段階を経てから第二段階に行くのです。悪性度が強いがん細胞の場合、免疫機構が第一段階を突破出来ていないのです。

免疫の第一段階は、自然免疫(抵抗力)が担当します。第二段階は、主に獲得免疫が担当しますが、自然免疫も関わっています。そして、獲得免疫の強さは自然免疫(抵抗力)の強さと強く相関します。つまり、悪性度の強いがん細胞が免疫機構をすり抜けて増殖する原因は、自然免疫に何らかの原因があるからなのです。

免疫療法があまり成果を上げきれていない理由は、免疫における第一段階を軽視して、第二段階ばかりに重視するからです。

ちょっと調べてみて分かったのですが、免疫療法をやられるがん患者さんは、かなり進行している方々が多いようです。しかも、抗がん剤や放射線治療を行ってもガンが縮小しないような、ほとんど末期に近い患者さんが多いようです。

そのような場合、体は副作用でボロボロですから、おそらく自然免疫はほとんど機能していないと思います。獲得免疫の強さは自然免疫の強さに相関しますから、いくらビーカーの中で獲得免疫を鍛えて体に戻しても、体に戻した途端、自然免疫の影響を受けますので思い通りの成果が得られないのでは?と私は推測しています。

また、免疫細胞にも腸内細菌のように「善玉」「悪玉」がいます。
皆さんに分かりやすいように、一応「悪玉」と書きましたが、この「悪玉」の免疫細胞が活躍する場面もあります。

ですので、大事な免疫機構の一部として必要であることを強調しておきます。
この善玉と悪玉のバランスがとれていることが、体の健康を恒常的に保つ為にとても大事なことなのです。

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