と言いますか、大腸がんを患ってからアレルギー反応を起こすことはなくなりました。「大腸がんを患ってから」と言うより、(食事療法を含めた)生活習慣の改善を行ってからは、アレルギー反応はなくなりました。
闘病初期の頃は少しありましたが、術後3年過ぎた頃には鼻炎の発作はもちろん、食事によるアレルギー反応も起こさなくなりました。
正しい生活習慣とは、おそらくこういうことを言うのだと思います。
「がんに効く食事」や「がんに効く運動」があるのではなく、正しい生活習慣を実践すれば、全てが良くなっていくのではないでしょうか。
最近銀歯が取れてしまい、歯医者さんに通っています。
小さい頃は虫歯だらけでして、歯医者に行くたびに新たな虫歯が見つかって痛い思いをしていました。2年に1回のペースで虫歯が出来ていたような気がします。
今回歯医者に行くのは5年ぶりです。
つまり、食事療法を始めて1回も歯が痛むような経験をしたことがありません。
今回も外れた銀歯を詰めてもらうことが目的ですから、治療してもらうわけではありません。調べてもらったところ、虫歯は1本もありませんでした。
アレルギー体質もかなり改善されてきました。
保育園の頃は、毎週1回片道2時間近くかけてアレルギー鼻炎の専門家がいらっしゃる病院まで通っていました。
私は注射が怖かったのですが、毎週1本打たれるわけですからすっかり慣れてしまいました。薬も山ほど飲みましたが、ほとんど改善されませんでした。
当時の先生は、「大人になったら、免疫の働きもしっかりしてくるから自然に治るよ」と言ってたのですが、二十歳を過ぎても改善の兆しはなかったです。
むしろある種の薬や海産物にアレルギー反応を起こすようになり、(数は少ないのですが)気をつけなければならない「薬品名」や「食べ物」を把握しなければいけなくなりました。
そういう諸々の症状が、大腸がんになったきっかけに始めた食事療法や運動等で、すっかり改善されたのです。虫歯やアレルギーを治すつもりで始めたわけではないのですが、それらも一緒に治っていきました。
正しい食事療法とは、特定の疾患にだけ効くというものではなく、その人が抱えているすべての疾患が良くなっていくものだと思います。そうでなければ、それは間違ったものです。
もちろん例外はあると思います。
回復が難しい臓器が重度に傷ついている場合です。
例えば膵臓や腎臓が傷つき、著しく機能が低下している場合などは「専門の食事療法」が必要だと思います。それらは栄養学的に偏った食事内容ですが、それはもう仕方がないのです。特定の代謝機能の回復が難しいのであれば、「その偏った食事が、その人にとって適切なバランス」なのです。
同じことが、がん患者にも言えると思います。
がん患者には、がん患者にとっての適切な栄養バランスがあります。
そしてそれは、必ずしも栄養学的に正しいわけではありません。
糖尿病食や腎臓病食が、必ずしも健常者にとって適切な栄養バランスではないのと同様です。つまり、私が厳格にやってた食事療法は「期間限定の食事療法」なのです。
私が実践してきた食事療法はなんでも万遍なく食べますが、ジューサーで搾った野菜ジュースを大量に飲むこともあって、栄養バランスが著しく偏っていると思います。
ただ、上記で「がん患者には、がん患者にとっての適切な栄養バランス」があると書いたように、全身の栄養代謝不良を起こしているがん患者は、特にミネラルのバランスが著しく欠いています。このバランスを整えるには、野菜や果物を吸収の良い形で大量に摂取することが最適なのです。
しかも残念なことに、大量に、継続的に摂らないと、細胞内のミネラルバランスが効率的に変化しません。理由については長くなるので次の機会に話しますが、とにかくそういうものなのです。
しかし、全身の栄養代謝不良が改善されたあとも、そのまま「野菜や果物の大量摂取」を継続してしまうと、今度は逆方向に栄養バランスが偏ってしまいます。徹底した食事療法を行うことによって病気は改善されたけれども、なんとなく細身で体力もなく、頭がぼぉ~っとして仕事に支障をきたしているような人は、そのような罠に陥っています。
その食事療法で病気が治ったばっかりに、
その食事療法を「神格化」してしまっています・・・。
普遍的に正しい食事があるわけではありません。
- その人の体質に適した、
- その人の栄養状態に適した、
- その人のその時の症状に適した、
最適な食事療法があるのだと思います。
なので、症状が改善されたあとは食事内容を見直すべきです。
体質が変わったのですから、その体質に適した食事内容があるはずです。
厳格な食事療法によってガンを克服した人も同じです。
腫瘍が体から完全に消え、「普通の新陳代謝(栄養代謝)」が出来る体質になった場合は野菜ジュースの量を減らすべきだし、がん患者からは嫌われがちな塩分や糖分も適量摂るべきだと思います。
あくまで私の実体験から言えることですが、そのような人体実験を繰り返していった結果、体調が良くなりましたのでおそらく正しいと思います。
食事療法は難しいです。自分にあった食事内容を、自分で見つけなければならないからです。私のブログに「あなた(読者)にとっての最適な食事メニュー」が書かれているわけではありません。そんなことは不可能に近いです。
しかしながら、私達は同じ人間ですし、同じような病気をしますし、同じような悩みを持っている存在です。「(ある程度)普遍的に良い食事や生活習慣」はあると思います。
そういうものを、これからも探っていきたいと思っています。