競争に関する重要な2つのポイントと成功哲学の矛盾

ウィキペディアを読むと、「成功哲学(せいこうてつがく)とは、目標を達成するための思想や手法を法則化したものである。」と書かれていますが、もうその時点で矛盾しています。

「法則化しました」ってことは、「誰がやってもその通りに行えば、同じ結果が出ますよ」ってことですが、現実はどうでしょうか?成功してる人は1割くらいで、失敗している人がほとんですよね?

こんなに当てにならない法則は、私が知る限りありません。

何故このような「法則外」なことが起こるのでしょうか?
それは、ほとんどの成功哲学が競争という概念を無視しているからです。

これを読んでいる皆さんの中で、「私は生まれてこの方一度も競争をしたことがありません」という方はいらっしゃいますか?一人もいないでしょう。

兄弟とおやつを食べている時、残りの一切れを争ったことがあると思います。これも競争です。

日本人ならほとんどの方が(意義の見出せない)義務教育で小中学校に通っているはずですから、テストの点数で順位付けされたり、部活動で技の競い合いをしてきたはずです。これも競争です。

そういうゆるーい競争から、社会で繰り広げられているような激しく、冷徹な、厳しい競争まで様々なタイプの競争がありますが、2つ重要な点があります。

1つ目は「生物が生きていく限り、絶対に競争は避けられない」ことです。

もう当たり前すぎて説明する必要がないかもしれませんが(笑)人間以外の生物は、食っていく為に相手と殺し合いをしますよね?

殺し合いも一種の競争ですが、それはご飯を食べる為、生きていく為に絶対に必要なことなのです。

人間は高度な知能を持つ生物だから「殺し合いのような競争は悲惨過ぎるんで、お互いやめませんか?」というように話し合いの余地が生まれるのですが、殺し合いまでいかなくても、様々な競争が人生のあらゆる場面で繰り広げられています。「交渉」も一種の競争でしょう。

つまり人間(生き物)が様々な活動をするなかで、「競争すること」は完全に否定出来ません。これを否定してしまったら何も行動が出来なくなり、やがては生物としての生存本能も失うでしょう。

後で子供の話をするつもりですが、子供たちが遊んでいるのを見てるとよく分かると思うのですが、子供は競争することが大好きです。

何故か?それは生物としての生存本能が強いからです。

子供は大人のような知識と経験がありませんから、ほとんど本能で行動しています。

本能は生き残ることを最優先にします。つまり、生物として生き残る為に必要なことが「競争」であると本能は判断しているのです。

考えてみれば、競争することが知識と経験を積む上で最も効率的な方法かもしれません。知識と経験が圧倒的に足りない子供にとっては、「競争することによって効率よく知識と経験を積み、少しでも生き残る確率を高めたい!」という生物として当たり前の本能に従っているのでしょう。

で、競争に関する2つ目の重要なポイントですが、「勝者と敗者が必ず存在する」ことです。

これも当たり前すぎる話なんですが、この当たり前の事を忘れているから巷に蔓延っている成功哲学の矛盾に気づかないのです。

分かりやすくする為に物語を話したいと思います。


A君には「マラソン大会で優勝したい!」という目標があります。

A君は書店で「絶対に成功する成功哲学」と書かれた本を見つけ、その本に書かれている知識を完全にマスターしました。

そしてその本に書かれている通りにゴールから逆算して目標を細分化し、計画を立てました。

もちろんA君はモチベーションもバッチリ!

「思考は現実化するぅぅううWRYYYYYYY~~ッ」とか意味不明な奇声をあげながら、親の心配をよそにA君は粛々と練習を続けました。

自分自身の強み・弱みもきっちり分析出来ていました。

上り坂でペースを落とし、下り坂でペースを上げるように決めていました。

そして残り3kmからスパート、「これでライバルを一気に抜けるはず! (`・ω・´)キリッ」

もちろんA君は本の内容をしっかり理解していましたので、ライバルの分析も怠りませんでした。

A君はラスト3kmで争うことになるであろう人物を何人かにしぼったうえで、まるでストーカーのように張り付いて分析しました。気持ち悪いやつです・・。

彼らの練習風景を見ていると、前半は速いが後半は失速するタイプらしいことが分かりました。

「ってことは、あいつらがバテはじめた後半に勝負をかけよう!これでいける! (`・ω・´)キリッ」

そしてマラソン当日、A君は体調もバッチリ!コンディションの整え方も勉強し、睡眠も食事も手を抜かなかったことが功を奏しました。

そして、淡々とレースをこなし、遂にA君はマラソン大会で優勝することが出来ました。

「あの本に書いてある通りに実行したから目標を達成することが出来たんだ! あの成功哲学は本物なんだ! 思考は現実化するんだぁ~ キタ━━━d(★ゝω・´★)━━━ッ!!!」

・・・
・・・

一週間後、「絶対に成功する成功哲学」の著者が、複数の被害者により集団訴訟を起こされました。

訴訟の理由は「マラソン大会で優勝する為に著者の成功哲学を信じてこれまで頑張ってきたのに、見事に裏切られた (;`皿´)」となっていました。(終)


ルール上、優勝者は一人だけです。

勝者と敗者が必ず存在する以上、「絶対に成功する哲学」を学んだ者同士が競争したとしても、誰かが必ず敗者に回ります。

つまり、「絶対に成功する哲学はない」ということです。

社会は基本的に相対評価なので、競争は永遠と続き、勝者と敗者が必ず存在します。そういう当たり前のことを一切無視して、「今世紀最大の成功法則です ( ̄ー ̄)ニヤリッ」とか言っちゃってるのが成功哲学です。ここにがあります。

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