感覚を磨かないと、情報に殺される理由

確か2年くらい前の話だったと思いますが、ある方に食事に誘われました。

私は極度の引きこもりですから、よほど親しい人じゃない限り食事はしません。
この方とはある用事で1回会ったきりです。

外食などとんでもない。そもそも外に出るのが面倒臭いのに、那覇まで遠出とは・・・。

「貴様が会いたいというなら、私の地元まで来やがれ」と言いたかったのですが、「お世話になったので、是非ご馳走したい」とおっしゃるものですから、タダ飯なら断る理由がありませんので、那覇の待ち合わせ場所まで向かったのでした。

夜の那覇は車や人ごみでごった返していますから、どうにも好きになれません。
ただ、その方は「行きつけの寿司屋さんがある」というので、正月以外で寿司を食べた記憶がほとんどないボンビーな私は、少し楽しみにしていました。

信じられないくらい美味しい寿司でした。
タダ飯でこんな美味いもん食べてバチが当たらないかと心配になったほどです。

口に入れるたびに感動が沸き起こるような寿司を頂戴し、「では、そろそろ行きましょうか」と席を立ったところ、(見るつもりはなかったのですが)会計がチラッと見えました。

たぶん目の錯覚だと思うのですが、2人前で3万超えていました。
私は酒を飲んでいないことを何度か確認し、違うお店に移って雑談をしていました。

そんな大盤振る舞いができる彼は私と同世代なのですが、様々なビジネスを展開されているらしく、いわゆる起業家ってやつです。

借金を抱えてどん底に落ちたこともあったようですが、現在はそれなりに成功しているようでした。

「私が彼をお世話した」と書きましたが、正確には彼の奥さんをお世話しました。

彼の奥さんは大腸がんでした。進行度は私より少し進んでいるくらいでした。
手術前に私のブログに辿り着き、是非とも会ってお話を伺いたいとのことで、私が彼女に会いに行ったことがきっかけでした。相手が女性なら、不思議と面倒臭くないんですね。

といっても大したアドバイスはしていません。
食事や運動のアドバイスを一通り行った程度です。

私もこれまで色々な健康法を試してきましたが、行き着いたのは誰でも知っている当たり前なことで「シンプル」です。結局それをやるかやらないかだけであり、

私とあなたの間に知識の差はありません。
あるとしたら、「正しく恐れること」と「熱意」だけです・・・。

と言っただけのようなものです。

その後彼女は「ありがとうございます。頑張ります」と言ったのですが、どうやら私の話を全く聞いていなかったようです・・・。

私は「頑張れ!」とか「努力と根性が必要です!」とは一言も言っていないし、むしろそれが燃え尽きたり悲観的になる原因だから、「毎日楽しみながら実践して下さい」と言ったのです。
そして「楽しみ方」というのは人それぞれ違いますから、「自分なりに工夫して下さい」と言ったつもりでしたが・・・。

もう一度念を押してアドバイスしました。
楽しめなきゃ絶対続きませんからね・・・。

で、お別れしてそれっきりだったのですが、しばらくして旦那さんからメールを頂き、「治療も既に終わり、何の問題もなく経過観察中です」との報告を頂き、「あれからもたまにブログを拝見させてもらってます」と言ってくださいました。

私は「調子がいいなら、ガンの闘病記なんかを読むのは金輪際やめて下さい。病気に囚われるだけです」とメールしましたが、「確かに仰るとおりですね・・・。彼女にもそのようにお伝えしておきます」と返信がきたので、「私の以外は」と付け加えるべきだったと少し後悔しました。その流れで2年ほど前に食事をしたわけです。

あれからなにも連絡がないということは、きっとお二人とも元気なのだと思います。
若いのにしっかりした考えを持っていました。特に旦那さんのほうは、子供っぽさと知性を兼ね備えているような、不思議な方でした。

もう名前は忘れてしまいましたが、彼のようなタイプが変化の激しい時代を生き抜いていくのではないかと思います。

店を移ってから、彼とは様々な話をしました。
沖縄の未来、日本の未来、世界の未来、彼や私の仕事のこと、哲学や宗教について話し合っていました。

特に興味深かったのは、彼と「感覚」について議論してた時です。彼は私にこう言いました。


新里さんは、直観というものを信じますか?

はい。

それはなぜ?

当たってることが多いからです。

それはうらやましいです。私なんか「勘」が鈍くて・・・。

何故だと思います?

え?理由なんかあるのですか?

もちろんありますよ。

それはなんでしょうか?

簡単なことです。あなたが「やましい事」をしてるからです。


かなりデフォルメして書いていますが、こういう文脈・内容のことを話していたのは覚えています。

では、本当に彼は「やましい事」をしているのでしょうか?
彼とは2回しか会っていないのに、なぜ彼に対して「やましい事をしてる」などと失礼な事を言えるのでしょうか?

そもそも、「やましい事をしている」ことと「直観」との間に、なにか関係があるのでしょうか?

今回はそれについて私の思うところを書いてみようと思います。

直観の正体

「やましい事と直観との関係」を述べる前に、まずは直観について考えてみたいと思います。

と言っても、私は直観の学術的な定義を知っているわけではなく、「私の勝手な考え」をダラダラと述べていくだけなので、暇つぶし程度に読んで頂けたらと・・・。

直観と統計と哲学の関係性

私は、直観を「論理をすっ飛ばして結論を導く行為」だと思ってます。

その意味で言えば、直観は統計と少し似ています。
統計はデータを分析することで「データになんらかの傾向・法則性がある」ことを導く行為ですが、データ(原因)と傾向(結果)の間にある因果関係(論理)は、「あとから推測してなんとなく分かる」のですから、傾向を知るために論理の力を必要としないのです。

直観も同じです。「なんだか知らないけど、Aのほうが良さそうだからAを選ぼう・・・。(´・ω・`)」という感じで、根拠もなくAを選んでいるわけですから、論理の力を必要としないという点で、両者は似ていると思います。

「統計学が最強の学問である」という本が35万部を突破し、「ビジネス書大賞2014」にて大賞に選ばれたようです。

私は哲学のほうがはるかに重要だと思っていますが、統計学も哲学同様「議論の根拠となるアプリオリ的な知識」を導く為のツールであり、嘘を暴く為のツールでもあるので非常に大事だと思っています。

直観もアプリオリ的な判断ですよね。根拠ないわけですから・・・。
ということで、私のなかでは哲学も統計学も直観も「論理を超えたもの」であり、「思考の土台を築くもの」であり、3つとも大事なものだと考えています。

直観は根拠のない「あやあふやなもの」なのか?

ただ、直観は他の2つと比べて体系化されているものではありません。
そのようなこともあって、私達は直観というものをどうも軽視しているような気がします。

きちんと根拠があって、エビデンスがあって、そういうものを元にして物事を決定していくことが賢い人であるかのような論調が多いような気がします。

しかしながら、「その根拠の根拠はなんですか?」というふうにどんどん突き詰めていくと、全てアプリオリな知識に行き着きます。

「アプリオリに正しいものはない」というのが不完全性定理で証明されているので、人類がこれまで創造してきたものは、全て直観や感性といった「感覚的なもの」から成り立っていることになります。

数学も物理も医学も同じです。それらの元を辿れば、全て「感覚的なもの」から成り立っているわけですから、「感覚的なものが、あやふやで曖昧なものである」と片付けるのは間違っているんじゃないかと思います。

つまり私たち人間は、その本質として「感覚的な動物」なのです。
おそらくそれは「本能」であり、私達の理性や論理的思考の土台になるものです。本能が囁くメッセージを、私達はもっと大事にしなければいけないと思います。

「野生的な勘」というのが適切な表現かどうか分かりませんが、そのようなメッセージを感じとれるかどうかが「直観」や「感性」が優れている人だと思います。

論理も大事ですが、同時に「感覚的なもの」が研ぎ澄まされている人こそ、より確からしい選択や決断が行えるのだと考えています。

突出している2人の人物

「論理力」と「感覚的なもの」が高いレベルでバランスよく維持されている人・・・。

このような人が「直観力が優れている人」だと私は考えているのですが、
私は「この人らは、2つの力を兼ね備えている人だなぁ~」と思う人が2人います。

それは棋士の羽生善治さんと、雀士の桜井章一さんです。

羽生善治という人物

羽生善治

私は将棋ファンなので、羽生さんのことはよく知っています。
20代で7つあるタイトルを独占し、40代を超えた今でも将棋界のトップに君臨している方です。

私はアマ1級くらいの実力なので、そんな私が羽生さんの将棋について語るのはおこがましいのですが、(苦笑)彼は「感覚的なもの」を非常に大切にされている方です。

将棋とは「運に左右されず、実力で決まるゲーム」ですから、完全に論理的なゲームです。
ですから論理的に考える力がないと勝てません。

その世界のトップに君臨しているわけですから、羽生さんもロジカル人間です。
しかし同時に、野生動物のような「感覚的な人間」でもあるのです。彼がその他の棋士よりも突出して成績がいいのは、彼の「動物的感覚の鋭さ」に秘密があるような気がします。

「論理力」という点では、その他の棋士と大差ないと思います。
プロ棋士になれる時点で論理的な力が突出しているわけですからね・・・。論理的思考だけで言えば、羽生さんのライバルの一人である渡辺明さんのほうが優れていると思います。

その渡辺さんですが、羽生さんと渡辺さんの違いを象徴しているエピソードがあります。

最近行われた渡辺さんと羽生さんのタイトル戦での話ですが、将棋には「感想戦」といって、今終わった将棋をお互いに振り返る反省会みたいなものがあるんです。その感想戦での話です・・・。


渡辺明:「(羽生さんの)この手はどういう意味ですか?」

羽生善治:「へ? ん~、いや、よく分からないです・・・。」

渡辺明:「(´・ω・`)」


はい。かなりデフォルメして書いてます。(笑)
羽生さんのほうを少しバカっぽく書きました。本当にこういう感じだったので・・・。

要はこういうことです。勝負の前半で羽生さんが意味不明な手を出したんです。
解説者も渡辺さんも意表をつかれたと思います。

どう考えてもアホな子が指したような手だっただけに、論理的&合理的な渡辺さんは相当迷われたでしょう。しかも第一人者が指した手ですから、何か狙いがあるに違いない・・・。

もちろん狙いがあっただろうし、この試合は羽生さんが勝利していますから、結果的にはこの手が良かったのでしょう。しかし、「この手が何故良かったのかは、羽生さん本人もうまく説明できない」と思います。感想戦での会話も嘘をついているわけではないと思います。(指した本人も)本当によく分からないから「分かりません」と答えたのだと思います。(笑)

合理的で有名な渡辺さんからしたら、腹立ってしょうがないと思います。(笑)
渡辺さんとは対極にあるような人ですから、理解出来ない未知の生物と対峙しているような感覚でしょう。

羽生さんと渡辺さんの違い

ただ、本当は「対極に位置している」わけではありません。
渡辺さんは論理と感覚(直観)のバランスが偏っているだけです。おそらく論理8、感覚2みたいなバランスでしょう。

羽生さんは、論理6、感覚4くらいのバランスのように感じられるし、しかもそれぞれが高いレベルで維持されているので「羽生マジック」のような手が飛び出すのでしょう。

羽生マジックとは、「まるでマジックをみせられたかのような信じられない手」のことを言うのですが、このような「普通では絶対思いつかないような手」を思いつけるのは、直観の働きが大きいと思います。

ただ、だからといって羽生さんが「直観に偏っている人間」というわけではなく、直観「も」優れているだけで論理的でもある・・・。繰り返しますが、「どちらも高いレベルであり、しかもバランスよく使っている」のが羽生善治という人間なのではないかと思います。

渡辺さんとの違いはおそらくそこでしょう。
渡辺さんは十分に合理的・論理的ではあるが、それゆえに「論理に偏っている人間」なのです。なので、混沌とした局面に持ち込まれたり、意味不明な手を指されたときに若干弱いのかなと思います。

羽生さんの「直観についての考え方」を知りたければ、彼の書いた「直観力」を読まれることをおすすめします。

新書はほとんどクソしかないのですが、これは稀にみる良本です。
余裕があれば、彼のその他の著作である「決断力」や「大局観」なども読んで下さい。

この三冊を読めば、感覚的な思考に対する理解が深まると思いますし、
この記事のテーマでもありますが、「変化の早い時代を生きるにあたって、感覚的なものを磨くことがいかに大切なことなのか」がよく分かると思います。

この本を読んでても思うのですが、彼は「感覚的な人間」というだけではなく、やはりそれ以上に「論理的な人間」です。

直観とか、大局観とか、決断とか、そのような「あやふやなもの」「説明しにくいもの」を明確に記述出来るあたり、凄く論理的だと思います。「やはり両方必要なんだな」と分からせてくれる本達でした。

桜井章一という人物

桜井章一

私は麻雀はやったことないのですが、桜井章一さんの凄さは理解できます。

麻雀というのは将棋と比べて偶然性がかなり入ると思うので、「運の要素」もあると思うのですが、よく言われていることが「裏麻雀の世界で20年間無敗」ですよね。かなりぶっとんでいると思います。(苦笑)

さすがに誇張されていると思いますが、彼の主張や書籍を読む限り、その実績に恥じないものを世に送り出していると感じます。

彼は「感性を取り戻せ」とか「考えることは不誠実」と言っています。
羽生さんよりも「感覚的な人間」かもしれません。

しかし、彼はどー考えても物事をよく考えています。
そしてロジカルな人間でもあります。

いかにも「感性100%人間」のように見えますが、もし本当に感性しかなかったのなら、その「思想の素晴らしさ」を誰にも伝えることは出来ないでしょう。誰とも共感できず、誰にも理解されない芸術扱いされていると思います。

彼の本がベストセラーになるということは、「彼の感性が多くの人に伝わった」ということです。それは論理の力がないと不可能です。

論理は共通言語ですから、感性や感覚というあやふやなものを、誰にでも理解出来る論理的な文章で書かれていなければ理解・共感されません。先ほどの羽生さんの話と同じです。

ということは、やはり彼も論理的かつ感覚的な人間です。

やはりというか、私はここに秘密があると思うんですね。

つまり冒頭で出てきた寿司を奢ってくれた彼ですが、彼が「勘が鈍い・・・。」と嘆いていた理由は、どちらかの力が足りないんです。あるいはバランスが崩れていて、片方の力しか使っていない、頼りにしていないからだと思います。

決断できない3つの理由

そして、この2つの力が高いレベルで備わっている人というのは総じて「決断が早い」です。

論理的な人ほど論理を追うスピードも早いので、結論を出すのが早いです。
その結論が当たっているかどうかはまた別な話ですが、論理的な人は早口が多いですよね。(笑)

また、直観は「論理をすっ飛ばして結論を導くもの」ですから当然結論を出すのも早いです。

そしてこれが1番重要なことなのですが、論理や直観を駆使して結論を導き出したとしても、その結論を信じて行動に移せるかどうかは別問題です。

私も色んな人の相談にのってきましたが、ほとんどの人は自分のなかで結論は出ているのです。しかし、それを信じきれていないので行動に移せない・・・。「自分の結論は正しいんだ」ということを誰かに保証してほしい・・・。「それを私にしてほしい」んだと思います。

ですからいつも思うんですが、私はアドバイスらしいアドバイスはほとんどしたことがないんですよ。

私が積極的にアドバイスすることはほとんどなく、彼らの話を聞いて相槌しているだけで、それで勝手に安心して元気になって帰っていくわけです。別に私は保証したつもりはないんですけどね・・・。

つまり、ほとんどの人は「確証」を求めて生きているのです。
しかし、そんなものはこの世に1つも存在しません。確証を求めれば求めるほど不安になってがんじがらめになって身動き取れなくなるのです。

これは情報社会の弊害でもあります。
情報はあればあるほど便利だと思われがちですが、情報が増えれば増えるほど消化しきれなくなってどんどん腐敗して混乱するだけなのです。自分の消化力を逸脱した情報を詰め込んだ人は、腐敗が拡がって自分の「論理力」や「感覚的な力」にまで転移して腐っていくと思います。代替療法をはしごする人が典型的です。

しかし、「確証」がないにも関わらず、羽生さんや桜井さんのように瞬間的に決断できる人もいます。

私も昔はそういう人達を見て不思議に思っていました。
「なぜこんなに早く決断できるのだろう? 見切りが早いんだろう?」と疑問に思っていましたが、私もこんな病気を患ってしまって心境の変化もあったのか、何故か彼らのように決断するのが早くなったのですね。それで何が違うのかが、なんとなく分かったのです。

私が思うに、人はなにかを決断する時、主に3つの力が必要だと思います。
そのうちの2つは「論理力」「感覚的な力(主に直観や感性)」です。理由は上記で示したとおりです。

3つ目は単純ですが、「自分を信じる力」です。
これがないから、多くの人は結論が出ているにもかかわらず、決断を下せません。

自分の論理や感性を駆使して出てきた結論を信じられないということは、その根本にあるのは「自分を信じきれていない」からだと思います。

「じゃあ、自分を信じればいいんですね?」って話なんですが、これが意外と難しいんです・・・。

ずるくてウソツキで汚い自分を信じられるのか?

当たり前ですが、自分のことを一番よく知っているのは「自分自身」です。

「自分自身(=潜在意識)」はあなたのことをなーんでも知っています。
あなたの良いことも知っていますが、嫌なところも知っています。

そういうものを全てひっくるめた自分を信じるというのは非常に難しい・・・。
そんな自分の下した結論を信じることも同様に難しい・・・。
だから決断できない。決断するのに時間がかかるのです。

そしてそのような「迷いのある決断」は、えてして良い結果にはなりません。
何故なら迷いがあるものだから、思い切りがない。行動が中途半端になるのです。

本番に弱い人、つまりPKを外す人もこういうタイプです。
練習を含め、自分の生活態度や人間関係・・・。それらのどこかに「やましい事」があるから、大事な場面で自分を信じれずに迷いが出て力んでしまうのです。

寿司を奢ってくれた彼に「やましい事をしているからだ」と言ったのはこういう意味です。
彼はおそらく本質的に自分を信じきれていないのです。それゆえに迷いが出て直観や閃きが出なくなっているのです。

彼との食事の時、「昔はよく面白いアイディアが浮かんでいたんだけど、最近は頭が老化してるのか、全く浮かばなくなった」と嘆いていましたが、「直観や閃きというのは、何の迷いもなくふわっと湧き上るもの」ですから、深いレベルで自分を信じきれていないような精神状態では、そんなものは湧き上がってきません。もし湧き上がってくるとしたら、それは「違うもの(雑念)」でしょう。

つまり「自分を信じる」というのは、コーチングがついているようなアスリートでも難しい作業だということです。これは一朝一夕でできるものではありません。

日常を「丁寧」に生きる

結局、深いレベルで自分を信じられるようになるためには、日常を丁寧に生きることが大切だと思います。

自分が納得のいく一日を、毎日毎日積み重ねることです。
そうすることで少しずつ自分が受け入れられるようになってきて、あまり迷いなく物事を決められるようになると思います。

「丁寧さ」というのは、私の最近のテーマでもあります。
何をするにしても、「どれだけ丁寧に行うことが出来るか?」を心掛けています。

  • 丁寧に話し、
  • 丁寧に聞き、
  • 丁寧に対応し、
  • 丁寧に本を読み、
  • 丁寧に味わい、
  • 丁寧に観察し、
  • 丁寧に勉強する・・・。

このように、あらゆることに「丁寧さ」を追求することで感覚も鋭くなりますし、物事を深いレベルで理解することが出来ます。つまり、「論理」と「感覚」を両方鍛えることが出来ますし、バランスもとれるのです。

本気でこのような生活をすると午前中に燃え尽きてしまうので、適度に手を抜いていますが、(笑)数ヶ月もすると見える世界が変わってくるでしょう。

私は引きこもっているのでほぼ同じ生活パターンを送っていますが、それでも「丁寧さ」を心掛けると毎日「新しい発見」があります。

それはいくら多読しても気づくことができないものです。
平凡なものをつぶさに見ることで、非凡なものが生まれるのだと思います。

東山魁夷の言葉

これからは「直観の時代」がくる

私は上のほうで「私達は直観を軽視しがちである」と書きましたが、これからは「直観の時代が来る」と思ってます。

それは肌で感じていたことなのですが、羽生さんの「直観に対する考え方」に触れたとき、「やはりそうか」と確信しました。

羽生さんによると、

直観とは、捨てる力である・・・。

らしいです。私が言った「論理をすっ飛ばす」と多少似ていますが、「捨てる」という表現のほうが時代に合っていると思います。

将棋が上達してくると、だんだん考えなくなります。
「考える必要があるもの」と「必要がないもの」が、局面を見ただけでパッと分かるようになるので、検討するものが少なくて済むのです・・・。

このようなことが本に書かれていたのですが、これからの時代、まさにそいうことが出来ないと、情報の海で溺死するんじゃないかと思います。雀士の桜井章一さんも言っていました。

お前な、考えるから「病んでる」んだぞ? 感じろ、もっとシンプルにいけ・・・。

世の中考えることが多いと思ってる人が多いかもしれませんが、「考える必要のあること」はほとんどありません。インターネットが発達したおかげで膨大な情報がばーっと目の前を通り過ぎているからそう錯覚しているだけです。

つまり、目の前を過ぎ去っていく情報を「いかに捨てることが出来るか」が、これからは勝負になってくるのです。

情報やコンテンツといったものは、もはやほとんど価値がないと考えてもいいです。
その証拠にテレビの視聴率は下がるし、CDは売れなくなるし、本も新聞も売れなくなってきています。

そんなもんはネットで代替出来ちゃいますし、そこでは「差」がつかない・・・。
しかもほとんどゴミみたいな情報しかありませんから、玉石混合のなかから「石を捨てる力」が大切になってくるわけです。

将棋界で起こっていること

将棋界でも「情報やコンテンツの価値が薄れてきている」ことを端的に象徴するような出来事が起こっています。

将棋界もネットの普及によって、戦型や戦術などの研究が加速度的に進んでいます。
そしてこういうことは、どう考えても頭の柔らかい10代や20代が得意です。

実際に新手や新しい戦型は、若いプロ棋士やプロ予備軍である奨励会員から生み出されることが多く、それを先輩棋士達が後を追う形になっているのです。

もし情報やコンテンツに価値があるのなら、若手のほとんどがトップ棋士になっててもいいはずです。しかし、現在タイトルを保持している3人のうち2人は40代です。

もちろん若手に負けることはありますが、長期的にみれば老兵が勝ち越してくるんです。
新しい情報を詰め込んでも、それを深いレベルで理解していなければ意味がないということです。

新しい情報を取り入れることがダメだと言っているわけではありません。
それは「変化の早い時代」についていくためには必要なことです。ただ私が思うのは、

情報を取り入れるより、「捨てること」のほうがよっぽど大事なんじゃないか・・・。

と思うのです。

将棋のパターンが、確か「10の220乗通り」あるらしいんですが、(苦笑)「それ、全部解析するんですか?」って話です。一生かかっても出来ません。コンピュータでも今のところ無理です。

であれば、「考える必要のないもの」を瞬間的に見極め、それについては「捨てる」ような思考アルゴリズムのほうが優れているんじゃないかと思います。

アルゴリズムとアルゴリズムの戦い

アルゴリズムとアルゴリズムの戦い

今、電王戦というプロ棋士とコンピュータの戦いが注目を浴びていますが、あれはまさに人間のアルゴリズムとコンピュータのアルゴリズムの戦いです。直観と論理の戦いといっても言いと思います。

プロ棋士は直観を駆使した「捨てる作業」と「論理」を組み合わせながら最善手を探しますが、コンピュータは力任せに「数の暴力」で片っ端から高速計算して最善手を探し当てます。

果たしてどちらがアルゴリズムとして優れているのでしょうか?
電王戦の結果から見れば、コンピュータのような論理至上主義的なアルゴリズムが優れているような気がしますが、私はそうは思わない。やはり人間的なアルゴリズムのほうが優れていると考えています。

将棋は「10の220乗通り」とはいえ、それは有限の世界です。
現実世界のほうがよっぽど複雑でスリリングで面白いわけですから、コンピュータがそれを高速計算処理して最善手を導けるとは思えません。宇宙だってどんどん大きくなっているわけですから、計算を始めた途端にそれはもう別のものになっているので永遠に正しい答えを導くことは出来ないのです。

おそらく将棋はコンピュータによって完全解析される運命にあるでしょう。
しかしそれは、将棋のような有限の世界での話です。私達が生きている無限の世界では論理だけでは完全解析することは出来ない。

論理だけではなく、私達が先天的に備わっている本能的な力で余分なものを「捨てる作業」が大切になってくると思います。それはきっとロボットには出来ないことだと思います。そしてそれが出来ない人は、情報の海で溺死するでしょう。

世の中が機械化していく時代だからこそ、機械に代替できない部分を磨き上げる必要があります。

そのような強靭な力が必要になってくる時代だと思います。

強靭な力

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コメント

  1. N より:

    新里様
    御返事ありがとうございました

    何度か読み返していました
    新里さんが書かれた沢山のことが、心に残っています

    ファーストフードのスマイル0円
    確かに…
    お金で考えるのっておかしいですね

    自分自身、人付き合いなど
    人様に迷惑にならないように、とか
    その気持ちの奥には、相手にどう思われるかとか
    金銭でモノを考えるような自分になっていると思います
    結果30代後半、人付き合いを殆ど止めてしまいました

    女性として年齢で
    期限的なものを感じていたり、それを時間とお金とというように
    考えることもあり
    そうした社会であることも感じます
    色々な影響をいつの間にか受けているようです

    新里さんの文章に
    気付きを与えられたと思います
    どうもありがとう

    >私は病気を患ってから、勘が鋭くなってきたような気がします

    それはあるでしょうね
    私が虚弱なせいか(私はそう思ってないのですが周りがそう・・)
    具合が悪いとき、もしくはその傾向に気が付く前に
    コーヒーが飲めなくなったり(飲むのはブラックです)
    すきなのですがどうしてもダメになりますね
    肉はほぼ食べませんが、それも影響されやすい感性なのかもしれません
    何度か肉食に戻したことはあるのですが
    (パートナーがいると止むを得ず)
    しかし殆ど食べません

    東京生まれですが東京よりも沖縄大好きです
    沖縄の人は柔らかいとうか、優しい
    暖かい気候のせいなのか、安らぎます

    それと、ご両親へのワンコ選びですが
    ぱぐは少し大変です
    病になりやすい、怪我しやすい等
    丈夫ではない犬種かもしれません
    寿命も短いことも

    家族にぱぐがおりましたので
    可愛さは溢れんばかりですが
    手間のかかる犬種ではあります

    どうもありがとうございました☆彡

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